先日は、特別支援学校の学校祭でした。中学校や高校でいうところの文化祭です。小学生の頃からこういった機会があるのも、支援学校ならではです。


中等部や高等部の生徒さんは、ステージ発表に加えて販売や喫茶などの模擬店もあるのでかなり忙しそうでしたが、小学部の出番は1学年20分のステージ発表のみ。

といっても園時代は発表会をすべて欠席させていたので、ステージ発表なんて初めてです。だから、長男がどのようになるかちょっと不安でした。


当日は旦那と私と次男のほか、私の父と妹も来てくれました。私の母も見に来る予定でしたが、体調不良のため来られず。


学校に親が来ていると分かると崩れてしまうのは授業参観などで経験済みなので、先生から事前に体育館入場のタイミングやバレにくい観覧位置、退場ルートまで教えていただいてました。

長男が体育館に入場するのを、少し遠くの渡り廊下の腰壁に隠れながら見届けて、その後急いで下駄箱で靴を履き替えて体育館に滑り込みました。そんなコソコソしてる家族は我が家しかいなかったぞ……


ステージ発表は1年生からです。中へ入ると早速始まりました。さまざまなミッションをクリアしながら、学習の成果を発表していくという内容です。各々が自分の能力に合わせたミッションを行なうということで、内容は大きく分けて3種類ありました。

体育的な活動では、平均台とジャンプ。

学習的な活動では、色のマッチング。

そして自立活動。長男はこれでした。


自立活動といっても、なんのこっちゃ……といった感じですよね。簡単に言うと、障害のある子の自立を目指して行なう教育的活動です。情緒の安定や他者との関わり、日常生活に必要な基本的な動作やコミュニケーションなど、生きていく上で基本的なことです。運動や勉強以前の、その基盤となるようなものかな。


長男は、ボードに貼ってある肥料(に見立てたもの)3つを剥がして3本の花の下に貼り付けるという課題でした。体育や学習の発表に比べると地味でしたが、初めての発表に落ち着いて取り組む、練習した課題をこなす、先生の指示に従うなどのいろいろな要素が盛り込まれていることが分かります。


長男は、ステージ上のベンチに座っている時から雲行きが怪しく、名前を呼ばれる前から泣いているようでした。自分の番になると顔を真っ赤にして怒った声をあげ、先生を2回ほど叩いて座り込んでしまいました。アシスト役の先生が、肥料を剥がしてカゴに入れて長男に見せ、声をかけて待ってくれています。

……時間がすごく長く感じました。


すると長男はおもむろに立ち上がり、カゴを手に取り、動きはゆっくりかつ先生のサポート付きですが、ちゃんと課題をこなし始めました。頑張って気持ちを立て直したようです。最後まで終わると逃げようとしてましたが、先生が上手に席へと誘導していました。


何人かの同級生と比べると、長男はどうしてもできないことが目立ちます。基本的に体育や学習面での発表をしている子どもたちは一人で課題ができていました。

長男は、運動能力的には平均台もジャンプもできるはずですが、大人が隣についてないと途中で平均台から降りてしまうし、適切なタイミングでジャンプはできません。

色のマッチングも、小さなカードで色の選び取りはできるけれど、ステージ発表の時に使う大きなカードではそもそも注視が難しいです。見ていると、ひらがなで出題されているものをこなしている子もいて、ひらがな読めるんだ、すごい…と思ったりもしました。

もちろん、ステージ上で先生を叩いて泣いている子は誰もいませんでした。


でも、あの状況からよくぞ短時間で気持ちを立て直してやり遂げた、と驚きもしました。親としてはもう無理かなと半分諦めモードだったのに、先生たちの誘導はすごく巧みで、長男も自分のやるべきことは理解していて、すごくたくさん練習したんだなと感動して。大きなステージ上では長男が身を固くしているのが分かり、きっと不安でいっぱいなんだと手に取るように感じられて、何だか私も胸がいっぱいになってしまいました。私の妹も、長男がとても小さく見えてウルウルしてしまったと言ってました。家だととても大きく感じるけど、まだ小学1年生なんだよね。


複雑な思いにはなります。

不安で崩れ落ちそうな中、初めての場所で頑張る長男への愛おしさ。つらかったかな、かわいそうだったかなという気持ち。よく頑張った、あそこで切り替えられるのが長男の強みなんだよという誇らしさ。支援学校に行ってもできない方なんだなと突きつけられる我が子の障害の重さ。易怒性(いどせい・ささいなことにもイライラや怒りを感じやすいこと)が強くなっているという懸念。

そして、先生たちの毅然とした愛ある対応に感じる心強さ。支援学校でなければ、きっとステージには立てなかったでしょう。こちらも安心して見ることはできなかったでしょう。

貴重な成長の1ページを見せていただけたという意味では、感謝しかありません。


帰宅後はとても疲れていたようでしたが、私にニコニコと甘えてきました。

「ちゃんと見ていたよ、頑張ってたの分かってるよ」

と抱っこしてあげると、嬉しそうに身もだえしてました。やっぱり、可愛い。

そうだね、うちの子が一番可愛かった。

それでいい。


ちなみに反動で、次の日もその次の日も自宅やデイで大荒れ&情緒不安定でした。

学校が始まったら落ち着いたようです。『振り返りの授業では、ステージ発表の写真を見てニコニコの長男さんでした』と連絡帳に書いてありました。

え、発表ツラかったんじゃなかったんかい!!と、思わずツッコみました。よく分からない(笑)