一昨日、支援学校に行ってきました。
学校祭に向けていろいろな行事があり、そのいくつかは参観できるので、初めてだしせっかくだから見に行こうよと旦那を誘ったんです。旦那も午前だけ仕事を抜けるよう、都合をつけてくれました。
内容はあまり詳しく書けないのですが、校庭で全児童・生徒が参加する行事でした。そして、私も旦那も初めて見るような新鮮なものでした。
ただそれなりに所要時間が長く、学年ごとに分かれてはいますが作業を順番にやっていくのでそれなりに待ち時間もあります。
長男は作業がやりたくて、道具を手に取りながら張り切っていました。でもある程度やったら交代、そして待機。見るからにイライラしてきて、先生を叩いていました。本当に申し訳ないです。
そのうち、座っていられなくなりウロウロし始めました。そして私と旦那に気付き、近寄ってきました。これはマズイ!と思ったけれど、私たちの横を素通りして校舎の方へ。
あー、教室に戻りたいんだ。
でも、まだ全然終わってないのでそうはいきません。
自分の思い通りにならない、見通しがつかない、なぜかいつもいない両親が学校にいる、それらすべてで混乱してしまったのか、長男は大声で泣き出し、叫び始め、地べたに寝転び、先生を激しく叩き始めました。これだけ大勢の子どもたちがいるのに、こんなに騒いでいるのは長男たった一人でした。
今までの園や児発の行事だったら親がヘルプに行っていたけれど、ここは学校。そして今は授業中。呼ばれでもしない限り、親は手を出してはいけない。そう思って見ていました。
そのうち男性の先生がたも来てくださり、振り回す手を押さえ込み、叫ぶ長男を必死でなだめてくれていました。
いつも長男がこうなってしまうと、当たり前だけど押さえ込むのは親である私や旦那。
その時は必死で、情けなくて、悲しくて、怒りを覚えてしまう。言葉の通じない我が子を見て、やるせない気持ちになる。自分には何の力もないんだなと思い知らされます。
でも、先生がたのおかげでそれを俯瞰的に見られて、なんだか私はちょっと安堵してしまったんです。
変でしょ。我が子があんなに荒れているのに。
実はね、最近学校でもデイでも長男は褒められてばかりでした。認知が伸びており、指示が通ることが増えてきて、情緒も落ち着いてきたと。私もそれは感じていました。というか、夏休みが大変すぎたから。
でも、ずーっと一緒にいるとやはり大変なんです。常同行動で壁や家具やモノを叩き続けるから、振動が響いて普通に身体がしんどい(でも注意すると怒り狂う)とか。一瞬鍵を閉め忘れただけで、お風呂に本を持って服のまま飛び込んでしまうとか。スケジュールにこだわりがあるので、少しでも親が座って休んでいると怒り出すとか。次男の園のお迎えの際には教室の中に入りたくて必ず癇癪を起こすとか(幸い、他の子に迷惑が掛からないように園がいろいろ配慮してくださっています)。
一つ一つは大したことないけれど細かいストレスがあって、外ではとても褒められているのに私はそれが感じられなくて、親としてうまく対応できていないのかなと気に病むこともしょっちゅうでした。
でも、学校のようにしっかり事前準備や視覚支援がされている環境でも、長男はやはり特性ゆえにイレギュラーに弱く、衝動性もこだわりもそれなりにあり、癇癪になってしまえば誰が対応しても同じ。
そうだよね、誰がやってもこうなるよね、私が特別対応が下手なわけじゃないよね……と見ていて、なんだかホッとしてしまったというわけなんです。
少し離れて見る長男は、不安でいっぱいで苦しそうにもがきながら、それでも周りの助けを手がかりにして健気に頑張っている、紛れもなく愛しい我が子でした。決して無傷では生きられないけれど、立ち上がる強さがある子だと思いました。そして、そんな長男に根気強く付き合い、その潜在能力を引き出すことができる、それが支援学校なのだと改めて感じました。
一緒に見ていたママ友さんが、
「自閉症の子は、いつもお化け屋敷の中にいるようなものなんだよね。だから怖くて、怒ったり泣いちゃったりするんだよね。頑張ってる。こうやって成長していくんだよね」
と言ってくれました。そのママさんは、その表現をどこかで聞いてとてもしっくり来たから、きょうだい児に自閉症の子について聞かれたらそうやって説明している、とも言ってました。私も、なるほど……と思いました。
長男は教室に戻ったら気持ちを切り替えることができたようです。
連絡帳には『心配お掛けして申し訳ありません。初めての行事が多く不安になることが多いかと思うので、スケジュールなどなるべく分かりやすく支援していきますね』という旨が書かれていました。大変なお仕事だろうに、本当にありがたいことです。
帰宅した長男は機嫌よく、ちっとも引きずってはいない様子でした。こういうところが彼の強み。
デイでは少し怒れてスタッフさんに手も出てしまったようでしたが、上手に対応していただいたようです。
「お母さん、長男くんは大丈夫ですよ。僕が思ったよりもすごいスピードで学校やデイに慣れていってるから。これからどんどん伸びるよ、まだ一年生だから」
とデイの先生に太鼓判を押されました。
きっと先生たちは、長男と関わる上でそれなりに苦労もあるだろうけれど、教育者や支援者として数多くのケースを見てきて、かつ長男のことを客観的に見られる─いわゆるプロだから、そのように言えるのだろうなと思いました。
親はそうはいかないや。自分の子しか見てないわけだし、いつも当事者だし。でも、ちょっと離れて見ることで少し分かったような気もします。
ちなみに、旦那はそれなりにダメージを受けていました。先生たちに申し訳ない、今すぐ長男に駆け寄ってなだめたいという気持ちを必死で押し殺していたようです。わざわざ仕事休んでまで来たのに、ずっと泣いてたからがっかりもしただろな。
「心が弱くてごめん」
と言ってましたが、きっとそれも長男への愛情の一つのかたち。
いつも私たち親は足掻きながら、我が子に対する複雑な思いをたしかめているのかもしれません。