もう一ヶ月以上前の話なんですが、支援学校のPTA主催で障害年金についての勉強会が開かれました。小学部一年の子の親で参加していたのは私だけでしたが、とてもいい情報が得られました。ということで、備忘録としてまとめておきます。

誰か他の方の参考にもなれば、嬉しいです。


 障害年金の対象と受給要件【誰がもらえる?】


障害年金とは『病気や怪我により、労働や日常生活に生じた支障や不自由さの程度に応じて支給される年金』です。


対象となる障害は以下の通りです。

●外部障害……外観から分かる障害

(視覚障害や聴覚障害、手足の欠損や麻痺など)

●内部障害……外から見て分からない内臓系の障害

(糖尿病やがん、臓器の疾患や人工肛門など)

●精神障害……うつ病や統合失調症、発達障害や知的障害、てんかんなど

※人格障害(性格の著しい偏り、猜疑心が強いなど)は原則対象外とのこと。神経症は精神病の病態があれば対象(不安障害や強迫性障害のみは対象外、そこからうつ病などを発症した場合は対象)。


内臓系の病気も場合によっては障害年金の対象になるケースがあるということを知らなかったので、ちょっと驚きました。特に糖尿病で障害年金を受給している人は国内に一千万人もいるそうです。


障害年金を受給するには、

①病気や怪我の初診日に保険に入っていた

②保険料をおさめていた(未納ではない)

③国の定める障害の等級を満たしている

これら要件をすべて満たしている必要があります。


ですが、長男のように子ども時代から障害があり、そもそも年金制度に加入していない場合は少し事情が変わってきます。


長男のような子が将来受給できる可能性のある障害年金を『二十歳前障害基礎年金』と呼びます。子どもの時(先天性のものを含む)障害を持った人が、二十歳になって受け取れる年金です。


こちらの年金を受給する際は、

①二十歳前に初診日がある

②国の定める障害の等級を満たしている

この二つの要件を満たす必要があります。

ややこしいのですが、知的障害は先天性のものとして扱うため出生日が初診日となります。でも、発達障害は病院を初めて受診した日が初診日となります。


長男みたいに知的障害と発達障害を併発している場合、どちらが初診日になるか?と年金事務所に聞いてみたのですが、はっきりした回答は得られませんでした。

うちの場合知的は最重度と明らかな障害だけど、自閉症ゆえの困難も多いし……どちらの障害が日常生活に支障をきたしているかという問題だと思うので、診断書を書く先生がどちらに重きを置いているかによるかもしれないという感じでした。

今後制度が変わる可能性があるので、まだ今はそこまで突き詰めて考えなくてもいいとも言われました。


 障害等級の認定基準【具体的な障害の程度─日常生活が困難とは?】


さて、気になるのは障害年金の1級もしくは2級に認定される基準。ここからは知的障害と発達障害に絞っていきます。

制度が違うので、療育手帳の等級とは別です。ですがガイドラインには『療育手帳の中度以上(知能指数50以下)は1級か2級の可能性を検討する』とあります。絶対ではありませんが、考慮はしてもらえるのかな。


とりあえずネットで検索してみると、このように書いてあります。


    

●知的障害


1級…知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とする状態


2級…知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要な状態


●発達障害


1級…発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とする状態


2級…発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要な状態


でも、これだとちょっと分かりにくいんですよね……1級だと『困難』『全面的(な援助)』『著しく』みたいな言葉が挟まれるけれど、1級も2級も同じような説明なんで。

講師の先生によると、日常生活がどうか?がすべての判断基準らしいです。


で、その日常生活とはなんぞや?ってことも詳しく教えていただきました。


①適切な食事(栄養バランスを考え、適切な時間に適量を準備できる)

②身辺の清潔保持(洗顔、風呂、着替え、洗濯、掃除が自分でできる)

③金銭管理と買い物(毎月のやりくり、計画的な買い物ができる)

④通院と服薬(薬をきちんと飲める、医師に自分の病状を話したり医師の指示を聞くことができる)

⑤他人との意思伝達、対人関係(周囲と良好な関係を保てる、自分の気持ちを伝えて他者の気持ちも受け止められる)

⑥身辺の安全保持、危機対応(刃物などの道具や車などの乗り物の危険性を理解して使える、電車の遅延などイレギュラーな事態に対応できる)

⑦社会性(社会生活を進める上での必要な手続きができる、公共施設の利用ルールなどを理解できる)


以上だそうです。


これらを一人暮らしするとしたら可能かどうかを想定し、4段階(できる・自発的にできるが時に助言や指導が必要・自発的かつ適正にはできないが助言や指導があればできる・助言や指導があってもできないもしくは行わない)で評価するそうです。


いやいや、全部長男にはハードル高くない?まず前提の一人暮らしからしてあり得ない!想定できない!(笑)

それに日常生活って、食具を使ってご飯を食べるとか、ズボンを自分で履けるとか、そんな身の回りのことレベルじゃないんだね……これ、健常者でも全部できない人いそう。


当たり前だけど、この評価って親がするんじゃなくて診断書を書く医師がします。だから、お医者さんに子どもの状態をちゃんと伝えることが重要になってきます。


 申請に必要な書類【これを揃えるのが大変!】


申請する際は、まず年金事務所に行くこと。市役所の国民年金課でもできるけれど、専門的なことは答えられない場合もあるので、年金事務所がおすすめだそうです。

そこで説明を受けると思うんですが、提出書類を揃えていきます。障害年金が受給できるかどうかはすべて書類で判断され、本人との面談等は全くありません。だから、分かりやすい書類を作ることが一番重要だそうです。

障害で生活が困難なことを伝える書類なので『〇〇すれば●●ができる』ではなく『〇〇がないと●●できない』というふうに表現にも気を付けるといいらしい。また、具体的なエピソードがあると望ましいです(集中できない→10分程度で集中力が切れて立ち歩いてしまう、など)。


用意する主な書類は、

①診断書(医学的見解や障害状態の評価を医師に書いてもらう)

②病歴就労状況等申立書(出生時から請求時までの日常生活や障害状況を記載した書類で、本人か家族が作成する)

③受診状況等証明書(初診日の証明書)

です。


この①診断書と②病歴就労状況等申立書の内容にあまりにも差があると、申請が通らないみたいです。医師の診断と本人(家族)の訴える症状が一致していないといけないので。ただ、お医者さんに困りごとなどがうまく伝わっていないとそうなりかねません。だから、日常生活の様子や日々の困りごとなどをメモ程度でいいので書面にして診察時に主治医に渡すのがおすすめだそうです。先生もそのメモを捨てることはしません。絶対にカルテに挟むはずです。先生はたくさんの患者を見ているし、こちらの話をすべてカルテに書き込んでいるとも限りません。

「記憶より記録です!」

と講師の先生がおっしゃってました。


 今のうちにやっておくべきこと


①主治医を見つけて受診をする

20歳になる直前、ギリギリで受診しても医師はすぐに診断書を書いてはくれないそうです。

②医師にきちんと子どもの状態を伝える

メモ等を渡すのがオススメ。

③子どもの記録をつけておく、取っておく

病歴就労状況等申立書を作成しないといけないので、記録をつけておくのは大事だそうです。私の場合はこのブログかな。学校や児発の連絡帳、個別支援計画なども使えそう!

④受診状況の分かるものを取っておく

カルテが破棄されている、病院が廃業しているなどで初診日が証明できない場合は、お薬手帳や診療明細書などを用意します。


***


障害年金は請求しなければ受給できないものです。ただ、そもそも制度を知らなかったり、手続きが面倒だったり難しいため断念する人も多いとのこと。社会保険労務士などの専門家に依頼すると受給の可能性が高まるため、頼むのがおすすめとのことでした。料金は決して安くないそうですが……

話を聞いていたら自分でもできそうな気がしたけど、やっぱりお願いした方がいいのかな?


ともかく、いろいろ準備しておこうと思いました。

親なきあとに少しずつ備えていかないとね。