夏休み中の話なので一ヶ月以上前のことなんですが、特別支援学校で地域連携支援会議というものがありました。

本人、保護者、担任の先生、学校の地域支援担当の先生、教育委員会の方、市の子ども課の方が顔を合わせて、対象児童について情報共有するというものです。本当は相談員(相談支援専門員)さんも来るはずでしたが、体調不良で欠席。先日受給者証更新時の聞き取りで会ったばかりだったし、こう言っちゃなんだけどすごく頼りになる存在でもないので、特に問題なしでしたが……。


それより問題なのは、顔合わせの意味合いもあるので本人を連れてこないといけないということ。

夏休み中に突然学校に連れて行き、イレギュラーな出来事が起こるという、始まる前から不穏なイベント。学校の写真を見せると微妙な顔をしていましたが、支援学校なら少なくともその場は何とかなるでしょ!と出発。

ちなみに私一人で連れていける自信がなかったので、旦那にも休みを取って付いてきてもらいました。次男も一緒。


校内に入ると、長男はいつもの教室ではなく会議用の部屋に入るということを受け入れられず、大号泣して大暴れ。担任の先生たちが来て、お気に入りの本などを持ってきてくれて、3人がかりでなだめていたけど、完全にパニックになっていました。もちろん部屋には入れず。旦那は引っ掻かれて流血してました。

仕方ないので、本人抜きで会議はスタート。次男は子ども用の椅子と机に30分ずっと座って大人しくして話を聞いていてくれました。どちらも自分の産んだ子どもなのに、その差にびっくりする。


まず自己紹介。教育支援計画が配られ、

「長男さんがどんなお子さんか、親御さんの方からお聞かせ願えますか」

といきなり振られました。事前に全く聞いてなかったので焦ったけど、かいつまんで説明しました。


【最重度知的障害を伴う自閉症スペクトラムで、療育手帳は最重度。発語なしで言語理解も乏しい。コミュニケーションに難ありで、他害や癇癪が出てしまう。感覚過敏や異食もあり。公共の場に連れて行くのは難しい】


改めてどんな子かと聞かれると、言語化が難しい。私が話している間、ずっと廊下でギャーギャーと叫んで暴れていたので、最後はそちらの方を見やりながら、

「……まぁ、あんな感じの子です(笑)」

と締めました。


その後、担任の先生から学校の様子も共有していただきました。

【初めてのことやイレギュラーなことには弱いけれど、視覚支援を用いたり毎日の習慣にすればすんなりと取り組むことができる】

という評価でした。


そして次は、市などの地域に望むことは何か?親御さんからどうぞと問われます。いやー、私めっちゃ話させられるじゃん。何も準備してないんだけどー!!


とりあえず、

●放課後デイが少ない(市内に一つのみ)

●成人した方向けのショートステイはあるけれど、子どもが使えるショートステイがない(市内にないとかじゃなくて、この地域にない)

●今は支援学校に通っているので相談ができるけれど、就学前は相談窓口みたいなものがなかった。地域の発達支援センターは重度の子に対するノウハウがあまりない(軽度の子が多め)

●在住県の県立障害者入所施設で虐待事案があった(ニュースにもなった)が、今はどのような状況なのか知りたい

●居住地校交流が不安

と伝えました。けっこう言いたいことを好きに言ったけど、まぁ言うだけならタダなので。


市の方でも放課後デイが少ないという現状は問題視しているようでした。でも、自治体では正直どうにもできないのが本音っぽい……ショートステイも同じ。

ただ、せめて地域ごとに受け入れをすべき(つまり、その地域の子どもはその地域の施設を利用すべき)という流れになってきているので、成人した障害者向けのショートステイが今後子どもも受け入れられるように態勢を整えていくという動きがあるそうです。ただ、人手がないと難しいよね。

ちなみに市内の放課後デイがどんどん潰れていった理由も、純粋な人手不足らしいです。


虐待事案で逮捕者も出て、新規受け入れ停止の行政処分となった県内の入所施設は、ショートステイ(障害児・者)も行なっています。長男のショートステイ先を探す時、そこも候補の一つに入ってましたが、まだ幼すぎるからと断られていました。もし利用していたらどうだったのだろうと背筋が寒くなります。

支援学校の地域支援担当の先生は、さすがというべきか一番情報に通じていましたが、その入所施設の現状はあまりよく分からないと言っておられました。ただ、その施設を利用している子どもの話は聞いたことがないとのこと。表向きは子どもも受け入れるとしているものの、実績はないみたい。そういう話を相談員さんは全然知らなかったので、そこのとこは情報共有してほしいなとチラリと思いました。


長男の障害が重すぎて地域の学校に行っても交流どころではないかもしれない、という不安も伝えることができて良かったです。交流の際は支援学校の先生も付いてくれるそうなので、安心。教育委員会の方も気にかけてくれるとのことでした。


市の子ども課の方から、

「地域のお祭りなどは行かれますか?」

と聞かれました。


実は、7月に初めて地元の神社の夏祭りに行ったのです。次男のクラスメイトのママさんに誘ってもらったのがきっかけでした。誘われなかったら行かなかったと思う。

次男だけ連れて行きたかったけど、長男が大人しく家で待ってるわけがなくて、付いていくことになりました。場所もよく散歩で行く神社だったので、何とかなるかな?と。

でもやっぱり大変でした。いつもと違う雰囲気に戸惑い、泣きわめき、でも家には帰りたくない。会場をグルグル歩き回りました。

私も旦那も他所から来た人なのですが、田舎にしては閉鎖的な空気もあまりなくて、全然知らないおじいさんから、

「おーい、大丈夫かぁ」

と話しかけられたり、同じ園の子たちも、

「どうして長男くん泣いてるの?」

と声を掛けにきてくれたり。

そのうち踊りの音楽がかかると泣きやんでくれたので、屋台でポテトを買ってきて食べさせながら、なんとか機嫌をとっていました。一瞬目を離した隙に迷子になり、必死で探しました。人ごみに連れて行く恐ろしさを感じました。

帰る時、また大泣きして暴れました。私も旦那もクタクタでした。


旦那が連れて帰ってきた金魚すくいの金魚は、袋の上から長男が(一瞬だけど)握ってしまって、半分はもう帰宅した際死んでいました。ただ、水の入った袋を触りたかっただけなんだろうけれど。

何で金魚すくいなんてしたの!長男がいるのに生き物なんて飼えないでしょ!誰が世話するの?と、相当旦那に嫌味を言いました。旦那は素直にごめんなさいと言ってくれたけど、結局世話はすべて私です。


水槽にいたずらをされると困るから目の届くリビングに置くしか選択肢はなかったけど、長男が金魚の水槽のそばでバンバンと机や本を叩くし、金魚たちも落ち着かずストレスがすごかったんだろうと思います。

水槽とフィルターを買い揃え、しばらく絶食させ、まめに水を替え、塩水浴させ、水槽の前に目隠し用のついたてを作ってやって……それでも生き残った金魚たちはどんどん死んでいってしまいました。金魚はとても可愛かったのですごく寂しかったけど、同時にホッとしたんです。だって、金魚の世話はそれなりに大変だったもの。


金魚が、自分たちの今の現状に重なりました。

どれだけ頑張っても、だめなことがある。挑戦することに意味があるのかもしれないけれど、今の私にはその余力も気持ちの余白もない。もちろん、悪いことばかりじゃなくて良い瞬間もあるんだけど、最終的に徒労感と苦い気持ちが残るだけ。


地域の行事に参加するってすごくいい響きだし、次男がいる以上関わらないわけにはいかないけれど、長男のように障害が重い子には難しすぎました。もう連れて行きたくない。でも次男は楽しかったようなのでまた行きたいと言ってました(次男も振り回されたのにメンタル強すぎじゃないか)。なら、夏祭りの日は長男をショートステイに預けたい。遠くてもいいから。


***


お祭りのことを事細かに話しませんでしたが、

「一度連れて行きましたが、すごく大変でした。正直もう連れて行きたくないくらいです」

とだけ答えました。


障害児者が地域で暮らすって、地域の行事に参加したり地元の人と交流するってことだけじゃなくて、自分の生まれ育った地域で福祉サービスや支援が充実していて、それを利用できて初めて成立することなんじゃないのかな。でも、特に地方ではそれが難しい。

いろいろと複雑な気持ちになった地域連携支援会議でした。


ちなみに長男は会議の後、一週間くらい荒れてました。イレギュラーに弱いよ、本当に。

夏祭り、よく頑張ったなと改めて思います。