半月以上前のお話です。
風邪の病み上がりだったため、子どもたち2人は園を休ませたある平日。ちょうど長男の児童精神科の受診日だったため旦那も家にいて、子どもたちも思ったより元気だったので、病院までの時間潰しで外出することにしました。
といっても一応体調不良で休んでいるので、人がいないところがいいかな?ということで、適当に食べるものを買って、とある公園へ向かいました。
公園は暑かったし、平日ということで誰もいませんでした。ちょうど日陰のベンチがあったので、そこに座って4人で昼食を取りました。大きな池と散歩コースがあるので、食べたらみんなで歩こうかと話していました。
食べ終わって片付けていると、2人の男の子がキックボードに乗ってやってきました。年齢は、それぞれ長男と次男と変わらない感じ。保護者らしき人はどこにも見当たりません。
「もう行くの?」
と私に話しかけてきたので、
「ううん、まだここにいるよ」
と答えると、男の子たちはベンチの周りをキックボードでグルグルと爆走し始めました。
「ブンブーンッ、ブンブーンッ!轢くぞ、どけどけー!」
と、かなり口も悪い。
男の子たちは何度も、
「見て見てー!」
とキックボードで技を見せてきたり、
「俺は6歳」
「オレは4歳」
と年齢を教えてくれたり、子どもである長男次男よりも大人である私や旦那と関わりたがっていました。
平日のこの時間帯にここにいるということは、まだ小学生じゃないのかな?園には行ってないのかな?
にしても、まだ6歳と4歳の子だけで遊びに来させるなんて、公園沿いの道路は車も通るし大丈夫なのかな?と気になりました。
そしてお兄ちゃんの方はこの暑いのになんと長袖のフリース(!)を着ており、本人もしきりに暑がってました。熱中症にならないか心配になったわ。もちろん水筒の類も持っていません。
さて、長男と次男は圧倒されながらもニコニコしながらキックボードの爆走を見ていました。でも男の子たちは楽しく遊ぶというよりは長男や次男を威嚇するようにキックボードで突っ込んでいこうとするので、私や旦那が危なくないように牽制していました。
そのうち長男はうるさい&怖くなってきたようで、いきなりお兄ちゃんの方に近寄ると、パシパシと叩き始めました。あまりにも唐突すぎて私も止める暇がなく、叩かれた男の子も呆然としてました。
「ごめんね、叩いちゃってごめんね」
と、私が長男を引き離して謝ります。
「なんで叩くんだー!」
とお兄ちゃんが怒るので、
「ちょっとね、怖かったみたい。この子(長男)はね、お喋りができなくてね。だから怖いって言えなくて手が出てしまうことがあるんだ。ちょっと離れようね」
と説明してその場を離れました。ひとまずその子たちもどこかへ行ったのでホッとしました。
すぐ近くの丘の中に土管トンネルが埋まっていて、長男と次男が入りたがったので連れていきました。大人にはちょっと狭いトンネルだったので、私と旦那は外から見守ります。すると、トンネルの反対側から先ほどの男の子2人がキックボードで入ってきました。長男と次男は慌ててトンネルから逃げ出しますが、出口で長男は男の子2人に囲まれてしまいました。
「おい、なんでさっき叩いたんだー!」
「ちょっ、こらこらっ、やめよ、やめようね。ねっ、近寄ると叩かれるから離れてよう、ね?」
私は慌てて間に入り、子どもたちを引き剥がします。長男はものすごく怖がっている様子は見られませんが、不快なようで不穏です。とりあえずトンネルから離れます。
次男は男の子たちに、
「ごめんね、僕たちを許してくれる?」
と言ってます(どこで覚えたんだそんな言葉。私の真似か…)。
「絶対(ぜってー)に許さねー!殴るぞ」
と言い返されるも、次男は、
「ズコーン!(笑)」
とおちゃらけて返してます。あんた強いよマジで…。
もうキックボードで来られないように階段を降りていくものの、わざわざキックボードから降りて持ったまま追いかけてくる男の子たち。しつこく絡んできます。お兄ちゃんが私と長男を轢こうとして突っ込んできて、逆にまた長男にバシバシと叩かれていました。
「…あーあ」
とため息をつくだけの私。
もう注意するのもめんどいわ。
それに悪いのはそっちだからもう謝らないぞ。
そんなことを思っていると、そのお兄ちゃんは、
「ほんとに喋らないの?いつ喋るの?」
と聞いてきました。あれ?もう怒ってない様子。それどころか、長男に少し興味が出てきたのか?と思うような質問に戸惑いながらも、
「さぁ、いつだろうね。まだママとも言えないからね」
と私が返すと、
「笑うの?」
と重ねて聞いてきました。
「うん、喋れなくても嬉しい時は笑うよ」
と答えると、そうなんだと納得したように去っていってくれました。
長男が話せないからといって馬鹿にする風でもなかったし、きっと長男みたいな子と行き会ったことがないのだろうな。
子どもらしい疑問を投げかけてくる時は、攻撃的にも生意気にも感じられなかった。根は素直な子なのかもしれない。そしてただ、誰か大人にかまってほしいだけだったのだろう。
気候に合っていない服装や、子どもだけで遊ぶ姿から、これはいわゆる放置子なのだろうなと感じました。
言葉遣いも悪かったけど、おそらく周りの大人からそのような言葉を掛けられて育ったのではないかなと旦那も言ってました。『殴るぞ』とか…普通初対面相手に出てくる言葉じゃないと思うから。
ただ、長男はかなり崩れてしまっていたし、散歩する雰囲気でもなくなってしまったので、我が家も不完全燃焼のまま帰る羽目に…。
もう二度とその公園に行くことはないでしょうし、公園の場所は生活圏外なので今後その子たちと会う可能性もかなり低いでしょう。
でも、彼らのことを今も時々思い出します。
下手に関わることもできないから、何もできないけれど。
長男はこのところ毎日荒れていて、とても疲れている私たち家族だけど、うちとはまた違う闇を抱える家庭はたくさんあるんだろうなという重苦しい事実が垣間見えた、そんな出来事でした。