今年も、あっという間に12月になりました。あと残すところ僅かですね。私自身、今年も、耳(難聴)、目(老眼)、口(ねばつき)と体調が優れず、あっちこっちの病院に通っているのですが、「加齢」という事で「チョン」ですね。(笑)
blog友達の千葉に住む塾長先生から「そんな時は、東洋医学でないかい」と言われて、教え子のお父さんが開院している、鍼灸治療院に週2回程度通っています。
しかし、まだ私を必要としてくれる、子供たちが何名か居るので、何とか頑張っています。
今回は、今年一年を振り返って、子供たちとのことは、少し横において・・・。私的な思い入れのある事を書いてみました。興味のない方は「スルー」してくださいね。(何名かのblog友達には、この内容は、コメントでお知らせしていますので、ご容赦くださいね)
~真珠のカフスボタン~。
『冠雀
早や三年も過ぎ 春が来ました。
歸らぬ人が最も好んだカフスです。
燕尾服やタキシードの時はいつもこのカフスでした。
ケースに入れますと嵩張りますので私がこの袋を縫ひました。
ドイツ、フランス、スペイン、アメリカ、ノルウェイ、日本と、いつも音を出す手のお供をしていました。
○○様(私です)がパソコンやお手紙で主人に言って下さったこと、
又見事な果物をお送り下さったことなど、主人は大変喜びまして、おけいこの励みにしておりました。
ここに、あらためまして生前戴きました。御芳情にお礼申し上げます。
春まだ浅く寒い日がございますので、御体お大切にお願い申し上げます。
かしこ 松田○○(奥様のお名前)
令和6年3月31日』
4月の上旬、尊敬するギタリスト故松田晃演先生の奥様から、「真珠のカフスボタン」に、上記、奥様直筆の手紙が添えられて、送られてきました。大き目のバロック(いびつ)な真珠を二つに切って、それぞれに銀の留め具を真珠の形に合わせて拵えた大変高価(きっと松田先生と奥様が、職人に作ってもらったのでしょう)そうなものです。手紙には、松田先生が最も気に入って愛用されていたことが記されていました。
= 脚力尽きるとき、山更に好し =
その夜は、葉室麟さんの「銀漢の賦(ぎんかんのふ)」を一挙に再読しました。
享年88歳・・・。松田先生は、癌で入院する直前までギターを弾いていたそうです。それは真(まさ)に、この世のものとは思えない位、壮絶な美しさを湛えていたと奥様は話されていました。
松田先生の奏でるギターの音を最も近くで聴き続けていたカフスボタンです。
カフスを入れる革のケースは、奥様が手作りされたとのことです。革と紐を自ら買ってこられ、手縫いされたとのことでした。涙が出ました。
今年の5月3日、札幌の隣にある、北広島市の「華ホール」の集会室で行われた「合同ギターコンサート」が行われました。私は、昨年の12月から取り組んでいた、松田先生が、三宅榛名さん(高名な作曲家でジュリアードを卒業された)に委託して編曲(もう作曲ですね)してもらい、自らも、レコーディングされている「日本の歌」より「通りゃんせ・五木の子守歌」と、S・ブリンドルの「黄金のポリフェーモ」を演奏しました。
若い頃、レナウンの紳士服(ダーバン)のコマーシャルに、アラン・ドロンが出ていて、黒と白のタキシード姿が、とても素敵でした。「いつか俺も」。と思っていたのですが、今回思い切って白のタキシードを購入して、奥様からいただいた、真珠のカフスを付けようと思っていたのですが・・・。今は、タキシードは販売されておらず、残念でした。それで、一張羅のオースチン・リードの濃紺のスリーピースのスーツに薄いブルーのシャツを合わせ、袖にはカフスボタンを着けて行きました。いつもは、ジーパンとシャツ姿なので、仲間は驚いていました。(笑い)
6月2日(今週の日曜日)、奈井江のコンチェルトホールで行われる『第8回、ギター愛コンサートin奈井江(札幌から旭川までの国道12号線上に住むアマとプロギタリストが集まります)』で弾き納めにしようと思っていました。しかし、5月10日に家族全員がコロナに罹患してしまい、コロナは癒えたのですが、体調が戻っていないので参加は断念しました。10年ほど前、松田先生から直筆(先生の編曲)の『鳥の歌(The Sound of the Guitar2の最初に入っています)』の楽譜を戴いたので、密かに練習していました。そして、いきなり演奏しようかと思っていたのですが・・・。(笑い)
『松田晃演 The Sound of the Guitar2(日本コロムビア)』
最初の曲は、カタル―ニア民謡の『鳥の歌(El Cant dels Ocells:カタル―ニア語)です。この曲は、松田先生の、2009年、札幌ルーテルホールで行われた演奏会、打ち上げの時、隣に座って下さったので、「鳥の歌の楽譜を欲しい」とお願いしたところ、後日、先生手書きの楽譜が送られてきました。またyou tubeの白いタキシードの袖に微かに見えるのが、戴いたカフスです。
もう一つの有名な逸話として・・・。松田先生の師である、アンドレス・セゴビア(ギター)と並び、称賛される20世紀最大のチェリスト、パブロ・カザルスは94歳を迎えていました時。1971年10月24日、国連を祝う会がニューヨークの国連本部で開催されました。
このコンサートでは、カザルスが作曲した『国連への賛歌』が自らの指揮で初演され、当時の国連総長から「国連平和賞」贈られました。
「国連賛歌」の演奏が終わると、指揮台を降りたカザルスは、国連総会の大勢の参加者に向かって静かに語り始めました。
『私は長い間、公の場でチェロを演奏していませんでしたが、また演奏すべき時が来たと感じています。』
運ばれて来たカザルス愛用のチェロを手にすると、彼はさらに続けた。
「カタル―ニアの民謡から『鳥の歌 El Cant dels Ocells』という曲を演奏しようと思います。鳥たちはこう歌います。『Peace 、Peace、Peace、(平和、平和、平和)』と。そのメロディは、バッハ、ヴェートーヴェン、そして、全ての偉人たちが称賛し、愛したもの。そして、わたしの民族、カタル―ニアの魂なのです。」
少し早いのですが、皆さん、今年も一年、大変お世話になりました。皆様に於かれましては、素晴らしい一年の締めくくりと、輝かしい新年をお迎えください。
そして・・・。世界中から一日も早く戦争がなくなることを心より願っています。