思い出話その1。取り敢えず予約時間までに浄智寺を散策しよう。結婚記念日は鰻を食べることにした。一人で歩くと色々、考えるようになるが、やはりサイドに一人いると、お喋りに夢中になってしまう。現代人の悪い癖。養老孟司教授は、かつての教え子のしらけ世代に対して「女子ならまだしも男子までがお喋りに夢中になっている」と以前の日本との感覚の違いを述べていた。その講演録を持っている人は実際に本になっているから確かめられるはず。とはいえ二人でいると安心できる面も無きにしも非ず。
時間になったら明月川へ移動。庭の見える席を予約しておいた。おーおーいい場所だなあ。私なんて未だ若く見られる反面、中身は良い意味で古臭いから、たぶんコイツだとバレるはずもない。嫁の方が年齢的にバレるかもね。鰻は「上」と「特上」があるけど、どっちにしようか。せっかくだから「特上」にする。源氏山コースのようなコース料理もある。ウチの母親がちょうど見ていた徳光和夫のバス旅で鎌倉めぐりの最後の締めに出ていたと余計なことを言う。どうせビールは飲まんぞ。勘違いする人も少なくないけどオッサンがビール好きなら、その世代が考える「今時の若い人」もビール好きで、むしろ私のような中間世代は飲まないのだ。橋本環奈みたく酒豪にはなれない。嫁に「おお食うな!」と言ったら「だってお腹すいちゃったんだもん!」と返ってきたので家に帰って姪っ子に「あれだけ食えばウンコもたっぷり出るんだろうな」と言ったら見事、大爆笑。美味い鰻は初めてだな。
通な人は北鎌倉を歩くと言う。だから余すことなく見てみよう。こういう時でないと古民家なんて見ることは出来ないだろうね。
でんでらりゅうば
でてくるばってん
でんでられんけん
でーてこんけん
こんこられんけん
こられられんけん
こーんこん
あっかとばい
かなきんばい
オランダさんから
もろたとばい
そうだ頭の中で響いてきたぞ。古民家風に造られた雰囲気は文明堂総本店みたいだ。これ地元の人にとっては有名だと思うけど、たぶん本州の人は「カステラ一番デンワは二番」しか知らない人も多いと思う。うーん、ただ良さが分からない。こういうのも、また経験。現代人こそハズレは経験ではないと思っている。違う。ハズレも立派な経験なのだ。正解ばかり追い求めるから、そうやって極端になる。意味のあるものばかり追い求めては成長もない。自分の足りないものを知ることこそ本当の意味で糧となる。
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