すべては古今亭志ん朝の死(享年63歳)から21世紀の落語ブームは始まったという。とはいえ、今現在のブームはそれほどではないという。これは勉強不足に過ぎないとBURRN!編集長でもある広瀬和生は説いている。では、その勉強不足とは何なのか。そもそも勉強しなければ落語は楽しめないものなのか。否、決してそんなことはない。私も演目では「花魁高尾」や「たらちね」などはついつい笑ってしまうのだ。分かって面白いから笑うのではなく、何となく面白そう…から入って、何度も見聞きするたびに思わず笑ってしまうのである。これはファンでないと恐らく理解できないだろう。
高校時代に図書館司書(図書室の入り口の部屋にちょこんと座っているのを見たことがあるでしょう)という人がいて、その人が落語好きで、ぶっちゃけ私はその人が昼休みに行う素人落語をやっているのを見ていたから、楽しみにしていたことも影響しているのかもしれない。高校時代は軽音楽部がなく、落語研究会に入った。とはいえ、そんなに落語ファンを自認しているわけではないにもかかわらず、やっぱり気になるということは、知りたいという思いが強いからだろう。何も知らないよりは、色んなことを広く浅く知った方が良い。
ちなみに落語はすべてが身体表現なのである。近年に早稲田大学・政治経済学部でも国語の入試問題で出題されたかと思われるが、能・歌舞伎・落語・茶道・華道・柔道などは、師匠が常にダメダメ!と言って、ある時に「ヨシ!」と言う。それは演じる人が動きを吸収したことになるのだ。たとえ師匠のマネを完璧にこなしてもダメ。要するに、演じる人の問題なのである。これが「世界に一つだけの花」や「オンリーワン」の紛れもない正体であり、国語の入試問題なら「漢字一文字で答えよ」との問いに従って「型」と答えさせるはずだ。
広瀬和生(BURRN!編集長)
いや~広瀬編集長も知識豊富で参りましたね。2003年に春風亭小朝が「六人の会(春風亭小朝・笑福亭鶴瓶・9代目林家正蔵・春風亭昇太・立川志の輔・柳家花緑)」の旗揚げ。2004年にも春風亭昇太がソーシャル・ワゲイ(話芸)・アソシエーション、略してSWA(”背番号1”林家彦いち・”背番号2”三遊亭白鳥・”背番号3”3代目神田山陽・”背番号4”春風亭昇太・”背番号6”柳家喬太郎)も旗揚げ。2005年には立川談春が立川談志師匠から受け継いだ演目「芝浜」によって、同2005年ラジオ放送の番組『タイガー&ドラゴン』の中で師匠を越えたと話題になったのは知る人ぞ知るところでしょう。他には「文七元結」や「明烏」も師匠・立川談志越えを証明したといえるでしょうね。
立川こしら師匠
あと広瀬和生は立川こしら師匠にも注目しているそうです。この人は何と言っても「家がない」「日本や世界でその地域にしかいないポケモン集めのために落語を行う」「米やはちみつを作って落語会で売る」「ペイペイ払いで落語会に入場できる」「古典落語の担い手で噺の中にアニメやゲームのほか仮想通貨やブロックチェーンやAIなどのテクノロジーをブチ込んでくる」「会社経営していてウェブページのデザインやチラシの制作や出版物の編集も行う」「そもそも姿格好が落語家に見えない」「今をときめく立川志らく師匠の元・一番弟子で現在・三番弟子(時が逆行している?)」「noteユーザーである(いろいろ販売)」なのです。ちなみに、同じ光文社新書から『その落語家、住所不定。 -タンスはアマゾン、家のない生き方』(2019)という著書まで出版しています。噺は面白くて、一度聞いたら病みつきになる依存性があるそうです。
シリーズになった
それから7代目(自称5代目)立川談志師匠の死(享年75歳)ですね。私的には「ああそういえばそうだったな!」ぐらいにしか思っておらず、もやッとした感じです(苦笑)。落語協会とケンカして立川流を起ち上げたことは何となく聞いたことがあります。さらに圓楽党(1990年に圓楽一門会と改称)と「七代目圓生問題」がありますね。発端は五代目・三遊亭圓楽の師匠・圓生の名跡を弟子・鳳楽に、そして自分の圓楽を弟子・楽太郎(六代目・三遊亭圓楽)に、それぞれ譲ったことが引き金だったそうです。
柳家小三治が小さんを継がなかった理由。2006年9月、五代目・柳家小さんの実子である三語楼が「小さん」を襲名したことに始まる。当初は孫の柳家花緑が売れてきており、当初は花緑が襲名すると思われていたそうだ。2005年6月7日、池袋演芸場にて三遊亭園歌(落語協会会長・当時)・鈴々舎馬風・柳家小三治・柳家三語楼の4人で「小さん」襲名会見が行われている。
2016年~2017年のプチ落語ブームにおいては、桃月庵白酒・柳家三三・三遊亭兼好といった逸材が集客力を伸ばしてブームを巻き起こす。この世代は間違いなく立川談志を知らない世代(私もですが)。テレビで立川談志の特集が組まれると、広く認知されるようになり、後追いで知る人はその落語家としての才能よりも武勇伝に注目した(こちらも私もですが)。そういったことを知らずしても、やはり落語は人気が落ちなかったのだ。決して年寄りの趣味ではない。20代を中心とした若者向けのサブカルチャーとして成長を遂げたのである。
21世紀の落語界の未来予想図について。ぶっちゃけ、一般人にとって落語家といえば「笑点メンバー」ぐらいにしか思っていないのでしょうが、確かに関東でも関西でもほぼ毎日のようにどこかで落語会が行われているので、実際に足を運んでみると良いかもしれません。ちなみに、21世紀を担う新世代にしてシブラクの二つ目ユニット「成金」は柳亭小痴楽・昔昔亭A太郎・瀧川鯉八・桂伸三・三遊亭小笑・春風亭昇々・笑福亭羽光・桂宮治・神田松之丞(日本講談協会にも所属)・春風亭柳若・春風亭昇也の11人。こういった人たちは、これからもますます注目に値する落語家だといえるでしょう。彼らは女性ファンにも大人気なのだそうです。
柳亭小痴楽が真打に昇進により「成金」は解散。神田松之丞は2020年2月に六代目・神田伯山を襲名して真打に昇進。同2020年5月には昔昔亭A太郎・瀧川鯉八・桂伸三らが同時に真打昇進。ユニットとは無関係に落語ファンに支持されている桂宮治や、女性ファンの間で特に支持を得ている春風亭昇々らも、それに続いていく。青春時代を二つ目ユニット「成金」で有意義に過ごした彼らの飛躍にぜひ期待したいですね。これからも落語会をますます発展させてください。
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