☆「新しい日本をつくる国民会議」
(21世紀臨調)を受けて
の続きですー☆
作家の村上龍氏発行のメルマガ
「JMM」
発行部数 128,653部
にて配信されたものです。
8月9日に行われた
「新しい日本をつくる国民会議」
(21世紀臨調)
のニュースは、飛行機の中で見ていたのですが
(北海道新聞に、
安里会頭のお写真も出てまちた~
)民主党は、マニフェストに
漢方医学も入れていたんですのねっ。
とっても面白い内容なのですが
ブログに掲載するにはちょっと長いので
分けてみました~。
***
「統合医療の確立ならびに
推進をうたった民主党マニフェスト」
●漢方医学を中心とした政策による産業振興
医療用、一般用医療用製剤として
国内販売の市場拡大だけでなく、
漢方を巡る種々の基盤整備が
産業育成につながる。
八角からのタミフルの抽出のように、
生薬由来の創薬は、
長井長義によるエフェドリンの抽出以来
日本のお家芸であった。
一時代前は
アジアの優秀な人材が
日本の生薬学を学びに集まってきたが、
最近では日本の顔が見えなくなったとよく言われる。
今や生薬からの創薬の中心は
欧米にまで広がり、
アジアでは香港が気を吐いている。
SARSコロナウイルスの抑制に
甘草由来のグリチルリチンが有効だとの
報告を出したのはドイツのグループであった。
われわれの研究室でも、
オリゴデンドロサイトの分化、
髄鞘化に漢方薬が有効であることを示しており、
脱髄疾患への研究を推進しようとしているが、
残念ながら厚生労働科研費は
4年連続で落ちている。
難治性疾患には漢方などが効くはずがない、
というのが行政の判断であろうが、
新型インフルエンザを例に取っても
生薬により、大腸インターフェロンが活性化し、
防御に働く可能性をわれわれが示している。
もちろん臨床面では
コモン・ディジーズを中心に
漢方が幅広く用いられているが、
難治性疾患に効かない、と
鼻から決めつけることは間違いである。
米国でも雷公藤という
生薬による関節リウマチの
臨床研究が進んでおり、
逆に高度医療として生薬からの創薬を
わが国の産業振興にすることは
決して間違った施策ではない。
また、生薬原料の枯渇が懸念される中、
わが国の技術力を以ってすれば
生薬の国内栽培は可能である。
農業の自給率向上とともに、
品質の高い生薬産業を
わが国の産業とすることも可能である。
●アジアの時代が来ることを見据えた医療政策を
詳細は
MRICの臨時vol.164
(医療メルマガ通信 http://mric.tanaka.md/)
で紹介させていただいので省くが、
海外から孤立しているのは
漢方だけではない。
8月8日(土)夜8時から放映された
NHKの
A to Z
「ニッポンは勝ち残れるか
激突 国際標準戦争」
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/090808.html
で、国際標準から
大きく後れをとって苦戦する
日本の経済が放映されていた。
携帯電話、冷蔵庫などが紹介されていたが、
このほかにもソーラー発電や
海水を真水に変えるシステムなども
ドイツ・フランスはじめEU諸国が
日本をはずした世界標準を意図的に作り、
そのために、日本が技術は高いのに、
海外に打って出れない仕組みが作られていると聞く。
放映の中でも
国策として取り組むドイツの迫力には
鬼気迫るものを感じた。
ひと時代前は日本はもっと
世界の動向に敏感であったように思う。
最近では海外に出ていかないことが懸念されるが、
昔はアメリカに行けば世界の情報が集まった。
しかしグローバル化の進展、
および中国・インドをはじめとする
アジアの台頭の波は
今後もますます続くと考えられる。
中国は国策として
国内外における伝統中医学の推進を
急ピッチで進めている。
それは医療として世界を市場とする
という目的があるからである。
韓国も然りである。
残念ながら、わが国には
有識者や政府関係者に
漢方を国策として取り上げようという
機運が全く欠如している。
それは国民目線、国際目線が
欠如しているからであろう。
国民が求めている医療に目を向け、
今回のマニフェストに
漢方医学を取り上げた民主党は
その意味で画期的である。
さらにマニフェストの中に、
「アジアの東玄関という地理的要件を活かし」
とある。
これは米国だけを向いてきた
これまでの政策からの転換として、
アジアと米国をつなぐことが
今後の重要な政策となることを意味している。
●WHOが注目するアジア・アフリカ
WHOが伝統医学に注目する理由は、
世界保健機関という名称でありながら、
世界の医療をカバーできていないことがある。
すなわち今まで世界の保健の仕組みも
ほとんど欧米の先進国中心に進められてきた。
しかしながら統計情報で、
人口の多いアジア・アフリカを除いたら、
世界の統計にはならないのである。
こうしたことからWHOは
真の世界統計情報を目指しているのである。
医療現場においても
1990年代に始まる
世界的な補完・代替医療の潮流の中で、
伝統医学が一気に欧米に浸透していった。
ドイツでも整形外科、ペインの専門医を中心に
医療に鍼灸を取り入れている医師が多い。
慶應にも毎年欧米からの医師・医学生が
4-5名ほど短期研修に来る。
今夏もジェファーソン大学から2名、
テンプル大学から1名受け入れた。
わが国の医療が欧米から学ぶだけでなく、
欧米に教えることができるものがあることを
是非とも認識して欲しいと思う。
世界は少しずつ変化していて、
欧米だけではないことが
示されてきている。
今後わが国の医療政策が
従来通り米国だけを見ていくのではなく、
アジアにも向いていくという
確たるメッセージが重要なのではなかろうか。
慶應義塾大学医学部漢方医学センター センター長
渡辺賢治
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