「おー、カラス!札幌駅までだったら送ってくぞ!!」
見ると、友人のYが、車道の縁石に車寄せ?しており、私に声をかけてくれたのだった・・・・が・・・ハンドル?は円形の合成樹脂のようなものと、中心から足に向かって伸びる金属製の棒が一本・・・
そして、何より驚いたのが、体が路面から浮いていることだった。
それから、Yは、その怪奇現象を説明してくれるであろうヘッドギアを装着していた・・・
「お前それ・・・」
「普通免許はもってるよ、こーみえても。」
「いや、おれが・・」
「わかってるって。
これさ、サツエキ(札幌駅)とイヌマル・デパートの共同出資で、B●W車の宣伝やろうってことらしーよ」
「それにしても・・・」
「まーたまた、ヒトの話は最後まで聞く!聞く!!
車の宣伝もさることながら、これ」
といって彼はヘッドギアを指差した。
「から流れてくる音が、人間のナントカ連合野に反応、フィードバックして、その場にふさわしい音にしてくれるんだとさ。
たとえば、俺の今のっていることになっている「B●W X5」はディーゼル車だけど、3000cc、
DOHC、ツインターボ、最大トルクが55.1kgm/1750-3000rpm、245PS/4400rpmというスペックで、840万円の車。という情景を思い浮かべると、このヘッドギアから、この車にふさわしいレスポンスと音が得られるわけ。このヘッドギアには国内外、480の車の走りがインプットされているんだって。
で、オレがB●Wだったらここはこーやって走るんじゃないの?って考えるだけで、車はその通りに走ってくれるし。あ、そうそう、おれの体が浮いているのもその作用の一部なんだってさ。
実は、一時間1万円も取られるんだけど、思わず衝動買いしてしまったんだ」
「それで、1万円も出す価値がどこにあるんだ?」
「ナンモしらんやつだなー、カラスは。外車ディーラーの試乗会で車ブっけて見ろや。何十万も吹っかけられて、それで許してくれるのかと思ったら、<折角の試乗会に参加されたんですから、何か買っていきましょうよ>とか言われて新車グッズ買わされて。金をいいだけむしり取られたなんて例もよくきけどねー<あくまでもフィクションです>。
てなわけで、壊れるべきものがない!盗まれない!!どこでも走れる・大地上は、いいことずくめでしょ?。もう、返しに行く時間だから、ちょっと冷やかして行ったら?」
「そーだなー。じゃーそのデモ会場までのせてってくれよ」
会場に着いた私は、さっそく、学生時代からあこがれていた、◆●社のCRの最上級グレードに載ってみることにした。
しかし全く動かない。そのうち、会場の主任技師とやらが来て、Yもやってきた。
「ははー」
主任技師が言った。
「お客様。大変失礼なことを伺いますが、その車に愛着なり、エンジン音などの深い印象をお持ちですか?もし、動かなければ、お客様が、その車にあまり強い印象をおもちではない・・・・ということになりますが・・・
あの、私、ここの責任者の◇□と申します。あとお客さまの方で何かお尋ねになりたいことありましたら、閉店までおりますので、何なりとお尋ねください。」
私はYに
「何となく悔しーね、でもまー、よくできてるわ」
さすがにYは私を少しさげすむような目線で見ていた。