豊臣兄弟「本能寺の変」は大変面白かった。

演出家は相当な冒険を平気でしているが、どれも斬新。

視聴者は「謎解き」を期待している、または「新解釈」を。

しかし、演出家はそのどれも蹴飛ばす意味で

仮面ライダー出身の「光秀」演じる「要潤」に、ワイヤーロープを

使って「ライダーキック」を浴びせ、過去の栄光もろともぶっ飛ばした。

のみならず、狙っていたのであろう黒澤明の「蜘蛛巣城」をオマージュした。

オマージュは聞こえはいいが、パクリだ。

三船が「全世界」に裏切られて報いを受ける場面は「矢の嵐」だった。

口と目を見開いて、あうあうあう!と三船は逃げ回ったが、信長はさらりと

かわし、自分を追い詰める「見えない影」を手で引きちぎった。

 

「手の演技」がとても優れていた。

小栗旬は歴史に残るすばらしい殺陣を演じた。速く、強く、ぶれず、回った。

しかし、最後は「手」だった。

次々と現れる亡霊をなぎ倒した後は、現実を確かめる必要があった。

それはこの世との別れ、自分が自分であることを確かめる儀式でもあった。

 

信長は森蘭丸の頬に触れた。

生きている人間と最後の別れをするために

この世で一番愛した男の頬に触れて、炎の中に入った。