公開前から大作との呼び声高かった映画…国宝![]()
これはなんとしても劇場鑑賞しておかねばと思い…事故以来買い物や外食等の外出さえ控えていた私でしたが、久々映画館に足を運んでみました![]()
劇中劇の名作といえば…言わずと知れた『覇王別姫さらばわが愛』![]()
もう30年以上前につくられたこの作品は私にとって…今も不動
劇中劇の最高峰です![]()
この映画の感動に匹敵する作品…挽いては超える劇中劇が、日本で制作され鑑賞する日が来る事を、どれ程待ち望んでいたか![]()
前日の夜から期待に胸が高鳴り…睡眠不足の私は、果たして3時間の上映時間に耐えうるか❓️若干の不安を抱えながら劇場に向かいました![]()

私の備忘録という事で…あらすじはこの際、端折らせて頂きま〜す![]()
冒頭の喜久雄(少年期)がしとやか且つ流れるように登場するシーンから…心を鷲掴みにされました
父の最期の花舞台は潔く、気高く激しく…喜久雄の人生にあまりにも大きな光と陰を宿す![]()
完璧でした…圧巻です、やられました
喜久雄が大きな宿命の中…生きて行くであろう展開を、強く印象付けるシーン、細部に渡る丁寧な描写が鳥肌ものでした![]()
抗争で父を亡くした喜久雄は、歌舞伎の名門、長の家に引き取られ…生まれながに伝統を守る運命を背負った俊介と出会い、切磋琢磨し稽古に励む姿は清々しく、みていて眩しい程![]()
半ニ郎が不慮の事故に遭遇い…代役として選ばれたのは実子の俊介ではなく、喜久雄であった事から、揺るぎないと思われた、2人の関係と友情に変化が生じる
どちらにも誰にとっても残酷な選択だけれど…観客が満足する舞台をつくりあげる為には、キャストの妥協は許されない
厳しいエンタメの世界…平凡に生きる幸せを、しみじみ噛み締める私なのでした![]()
半二郎の代役としてむかえた『曽根崎心中』の初日…あまりに卓越した喜久雄の舞台を目の当たりにし、俊介は己の芸がいかに未熟であるかを痛感します![]()
その日劇場で喜久雄の舞台を鑑賞していた、喜久雄の恋人、春江は…俊介の「本物の役者になりたい」の言葉に背を押され、彼の手を取り劇場を後にするのです![]()
このシーン…私も似たような事があったと、苦い思い出に胸が締め付けられました![]()
若かりし頃…愛しいと心から思える方と、お付き合いしていた私![]()
彼と一緒ならきっと…揺るぎない信頼を育み、普通以上の幸せな人生を送れたと思います![]()
けれど…私は別の方と駆け落ちのような道を選びました![]()
今思い返せば私は…頭で考えるのではなく、子宮の声に従ったのだと思います![]()
春江もきっと…似たような感情だったのかも❓️
彼の人生を支えて生きて行きたい…私がこの人を立派に育て上げてみせる![]()
そう思ったのかも知れません![]()
蓋を開けてみれば私の場合…とんだ勘違いだったのですが![]()
って…脱線してしまいましたが、恋人の春江と俊介が行方知れずになり、喜久雄は増々芸にのめり込んで行きます![]()
喜久雄のひとを惹きつけてやまない恵まれた容姿…芸を極める事への異常なまでの執着、彼を取り巻く誰もが、彼の才能に魅せられ、脅威さえ抱くのです![]()
華々しいキャリアを重ねながら…血脈という伝統に怯え、それを払拭する為、ひたすら芸を磨き、心の平穏を保とうと精進する日々![]()
そんな中…病で目が見えず、舞台に立つ事も儘ならない体の半二郎が、白虎襲名を切望し、やっとの事で舞台に上がり、口上を述べようとするも、吐血し倒れる![]()
命が尽きる間際…行方知れずになった息子の名を叫ぶ半二郎は、とにかく切なかった![]()
それにも増して哀しいのが…そんな半二郎に「すみません」と小さく謝る喜久雄の姿です![]()
切っても切れない血の結束…血縁でもない自分が、半二郎を襲名するバツの悪さと虚しさに、打ちひしがれる喜久雄は痛まし過ぎました![]()
順風満帆な人生などあり得ないとわかっていながら…喜久雄の思いに寄り添い、激励していた私にとっても、これはあまりにやるせないシーンでした![]()
長が亡くなった事で、消息不明だった俊介が戻り…家督を継ぐことになる![]()
後ろ盾を失った喜久雄は、スキャンダルも相まって…表舞台に立つ事が出来なくなってしまう![]()
再起を計る喜久雄は…彼に恋慕を抱く彰子の思いに付け込み、愚劣な手段で返り咲きを試みるも、彼女の父、千五郎の逆鱗に触れ、歌舞伎界から追放されてしまう![]()
彰子にも愛想を尽かされ…涙で落ちかけた化粧のままビルの屋上で狂ったように踊る喜久雄![]()
どんなに悲惨な状況であっても…美しい面立ちを崩す事がなかった喜久雄が、ゆらゆらとたゆたい舞う様は、まるでヒース·レジャーが演じたジョーカーのようで空恐ろしく、このまま本当に命の幕を降ろすのでは❓️と思った程でした![]()
かつては妖艶な踊りで観客を魅了した人間国宝…万菊の計らいで、歌舞伎の世界に戻った喜久雄は、俊介と共に舞台で花を競い合う![]()
数々の修羅場を乗り越え、生きて来た二つの花…どちらも瑞々しく色鮮がで美しい![]()
けれど2人の蜜月も長くは続かず…俊介が父と同じ病で、足を切断する事になってしまいます![]()
どれ程願っても喜久雄には、到底手に入れる事が出来なかった血縁…皮肉にも俊介は、半二郎の遺伝子まで受け継いでいたのです![]()
抗う事が出来ない…残酷なさだめ![]()
片足を失いながらも舞台に立つ事を切願する俊介![]()
父の半二郎に似て…舞台への執着も、血は争えない哀しい性![]()
そして2人はあの因縁の舞台『曽根崎心中』を演じる事になるのです![]()
その舞台が凄まじい迫力…歌舞伎とか演技とか、全てを超越したものでした![]()
俊介が花道で転倒するハプニングから…話しの筋が変わってしまったり、汗で化粧が剥がれた俊介は、決して美しいと言えないけれど、壇上で繰り広げられた演目『曽根崎心中』は極めて完璧な心中![]()
2人はこの舞台で…真の心中を遂げたのだと思いました![]()
時は流れ…国宝となった彼が演じた『鷺娘』の舞台![]()
舞台上の喜久雄は神々しいまでに優美で…静と動、生命の輝き、鷺娘が命果てる間際まで、秀悦に艶やかに舞い続ける姿、画面の喜久雄には心から拍手喝采でした![]()
そしてこの映画を最後まで見終えた私も…誉めてあげた〜い![]()
沢山心に刺さるシーンがあり…とても語り尽くせないのですが、喜久雄と俊介の魂の舞台は至高で、俳優さんって本当に凄い![]()
歌舞伎ドドド素人の私でも感じたのは…ともすれば舞踊になるところを、役柄の個性を捉え落とし込み、各々の解釈で【歌舞伎役者】を演じる![]()
その域に辿り着くまでのお2人(吉沢さんと横浜さん)の道程…尋常じゃないご苦労だったと思います![]()
それと…国宝の万菊さんが高齢になり、3畳程❓️のうらぶれた部屋で、布団に横たわっている姿が衝撃的でした
華やかな世界に身を置き…輝かしい実績を重ね生きて来た万菊さん![]()
一見侘しいようですが…畳の上で静かに最期をむかえられるのは、とても幸せな事と思いました![]()

この映画はDNA模式図のよう…人生の重要地点で、過去と現在が絡み合い、時に重なり、必然的な出会いと別れに導かれ、喜久雄は国宝へとのし上がるって行く![]()

※画像をお借りししました
テーマに掲げているのは《才能か血筋か》という事のようですが…本質はもっと深いところ、仏教の教えに通じると思いました![]()

一切皆苦(いっさいかいく):全ては苦であるという真理。人生は思い通りにならない苦しみに満ちているということを表します。
- 諸行無常 (しょぎょうむじょう):この世のすべてのものは常に変化し、同じ状態を保つことはないという真理です。
- 諸法無我(しょほうむが):全ての存在は互いに影響し合い、独立して存在するものは何もないという真理。自我という固定された実体も存在しないことを表します。
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう):煩悩から解放され、絶対的な平安を得た境地。悟りの境地とも言われます。
※画像をお借りしました
こちらの曲はいかがでしょうか![]()
動画をお借りしました![]()
暑さ厳しい日が続いております…どうか皆さん、お体に気を付けて!
