「ちょっとー凄いじゃないの! リヨ(利翼ばあさんのこと)さあ~ん!」
木奥利翼(キオク リヨク)が家の庭に出ていた時だった。
「オレオレ詐欺捕まえたんだって~~?」
また別のおばあさん、
「今、オレオレ言わないの~! も~~」
また別のおばあさんがその前のおばあさんにツッコむ。
とにかく近所のおばあさん達がやってきた。
「凄いじゃないの! すぐ詐欺って判ったの?」
とにかく利翼はみんなからちやほやされてしまい、まさかの……
「こんなところで立ち話もなんだから、お茶していきなさいよ」
「いいの?」
「ありがとうー」
まさかの利翼は、近所のおばあさん達を勝手に家に招き入れてしまった!
そして数時間後、
「ただいま帰りました~~」
嫁の木奥姐那(キオク ネエナ)がパートから帰って来た。
途端、ギョッとする姐那。
「ど、ど、どうして……何でこちらに(知らないおばあさんに達)あげちゃってるんですか!?」
姐那は動揺した。
なぜなら、西側の息子夫婦のリビングに利翼だけではなく、知らないおばあさん達がたくさんいたからだった!
「だってね~~あっちはこーこじんまりしてて、何もないけどこっちにはいろんなもの置いてあるから便利でさ~~」
利翼が言いワケをするので尚一層イライラしてくる姐那。
「すみませんが! お母さん達の(東側)部屋へ移動して下さい! やることがあるのでここにたくさん人がいると困ります!」
もうはっきりと言い放つ姐那。
がそこで、はいはいと聞き分けければ良かったものの……
「いいじゃないの、どうせ、姐那さんも一息つくんでしょう? 一緒にお茶すればいいじゃないの」
まさかの聞き入れず、それどころか他のおばあさん達の前で恥をかかすようなことを言ってきた。
なので姐那は、はああ~~~~!? もうご立腹に。
「……こっちはパートから帰って来たところで、なのに……息つく暇もないって、
おまけに勝手に私達側のリビングを使ってるんなんて……」
もう我慢の限界近くまできていた姐那。
しかし、
「だからね、あなたも一緒に交わればいいじゃないの、ね、みんな」
利翼は嫁の気持ちをくめなかった。
さすがに近所のおばあさん達はヤバイ空気だと感じた時には……
「さすがに非常識なんだけど……こう言えばいいですか、ここは私達家族のリビング! いいから出ていけ~~!」
とうとう姐那は爆発した。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「帰りまーす」
近所のおばあさん達は慌てて帰っていった。
「皆さん、ごめんなさーい」
利翼は帰っていく背中に詫びる。
「あーあ、みんな慌てて帰っちゃったじゃない」
やはりもう姐那の怒りはおさまることはなく、
「近所のおばあさん達には謝って、私には何もないんですか!?
だったら、もう勝手に西側には来ないで下さい! そして電話も勝手にとらないで下さい!」
とうとう姑の利翼に出禁を言い渡した。
「そうそう記憶力が突然、良くなったんだから忘れないで下さいね!」
姐那は西側端のドアを勢い良く閉めた。
「ちょっと入り浸っただけなのに何さーケチだね~~」
閉め出しをくらってもまだブツブツ文句を言うか利翼。
姐那は夜、夫の内志が会社から帰宅してくると、昼間の出来事を一気にぶちまけて……
「……そ、そうだったんだ、そりゃあビックリするわな……やっぱり……例の記憶力が良くなったからか……」
内志は、母親の利翼から聞いた自販機ガチャで出た飲み物のことを思い出す。
家族で相談して西側の隔たりには、留守の間は鍵をかけることにした。
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