夏が近づくと、カミナリ達は各雲の上から夕立を降らすことに大忙し。
親方が叩くカミナリのドラムセットを運んだり、雨降らしのタンクなどを運んだりします。
時には風神さんにアポをとったりもしていました。
「おおい! 急げ! 午後の5時からN県のA市Kの辺りで集中豪雨だ!」
筋肉粒々の黒鬼のカミナリ親方が怒号します。
小鬼達はみんな急いで、背中に雨水の入ったタンクをそれぞれ背負いました。
東京ドームでビールを売るサーバーみたいな感じです。
タンクは小さいけれど、凝縮されてかなりな量が入っています。
それぞれ位置に着こうとした時でした。
どこからか声が聞こえてきます。
耳をすますと、
……ライジンさあ~~ん♪
まさかのEXILEのRISING SUNを雷神さんと歌っている声が聞こえてきました!
見ると、1体だけタンクをまだ背負っていないナリゾウが、まさかのRISING SUNをキレッキレッに踊っていました。
途端、背中にあるタンクが逆さまになると、まさかのフタが外れてしまいました!
まるで昔の小学生が挨拶したら、ランドセルのふたが甘くてドサーと教科書が全部出ちゃうやらかしみたいでした。
そんなことになったので、一気にタンクの中の水は滝のように地上に落ちてしまいます。
地上では人間達が大騒ぎです。
「ギャー!! 凄い雨~~!」
「車のワイパーで掻いても視界が悪い~~!」
「道が雨で川になってる~~!!」
ある意味ゲリラ豪雨になってしまいました。
しかも一気に水を地上に落としたので、すぐ雨は止んでしまいます。
親方は一瞬ポカンとしますが我にかえると、
「こぉ~ら~~!! ナリゾウ! またお前か~~! マジメにやれ~~!! ろくなことやらねーな!」
親方はナリゾウを怒鳴りつけます。
「や~~みんな真剣に並んでいたから、思わず笑わせたくなっちゃって……」
ナリゾウはヘラヘラしていました。
「お前は加藤茶かっ!? おかげでワシの出番がなくなってしまったじゃないか!
雨が降って盛り上がった時に俺の雷サウンドを鳴らして更に盛り上がるところだったんだ!
何も始まってもいない前から、お前がウケを取るんじゃない!!
罰としてカミナリのドラムセットはお前がひとりで片付けておけっ!」
そういうと、黒鬼のカミナリ親方は小さな雲に乗ってプンプン怒りながら、どこかへ飛んでいってしまいました。
「ええ~~!? 何でだよ~!」
ナリゾウは全く反省の色がありません。
それどころか、
「へ、大したカミナリドラムも叩けないくせにふざけんな! ヘッポコクソ親方がっ!」
親方の悪口を思い切り口に出していました。
すると、
「ヘッポコクソ親方ってーのは、誰のことだ!?」
途端、ナリゾウは凄い汗の量が流れ出しました。
後ろを恐る恐る振り向くと、
そこには、やはりあの黒鬼のカミナリ親方が仁王立ちしていて……!
「ぎゃあ~~! 親方~! 何でいる…んですかあ!?」
ナリゾウはもの凄く仰天しました。
「あのな~、忘れ物があってバチを取りに来た」
まさかの親方はドラマのバチを忘れて戻っていたのでした。
ナリゾウは更に汗をかきながら、
「え、えーと、親方、なかなかなピカピカのイイ雲に乗ってますね~~」
ゴマをすります。
つい親方はパアッと笑顔になると、
「ま、そうだろう!? ピカピカの……
バッカヤロー!! お、ふざけんなお前!
全部お前ひとりで片付けておけっ! ナリゾウだけ居残りで他はもう解散!」
がすぐ我に返って更にナリゾウは怒られてしまいました。
「そ、そんな~~」
とナリゾウはガックリします。
本日のカミナリ見習いのナリゾウくん、本日はここまで。
原案、文:しぃーの
アイディア:やはりなしぃーの夫&しぃーの


