子供、特に乳幼児は、なんでも口に入れてしまう生き物です。
外来でも「○○を食べてしまったかもしれない」という相談は、本当によくあります。
まず大前提として、どんな理由があれ、食べてしまった子供が悪いわけではありません。
子供の手の届くところに、食べてはいけないものを置いていた大人の責任です。
これはかなり厳しい言い方になるけど、事実として受け止めねばなりません。
とはいえ、実際のところ、そこらにあるものの多くは、飲み込んでも大きな問題にならないことがほとんどです。
紙、ビニール、クリップ、おもちゃの小さな部品など、胃まで落ちてしまえば、2~3日後に便と一緒に出てくるケースが多い。
逆に、食道など途中で引っかかっている場合は、子供ははっきりと違和感や痛みを感じて泣き叫びます。
そういうときは、迷わず医療機関にかかればいい。
洗剤などの薬品類も、「いかにも危険そう」に見えますが、苦かったり辛かったりして、そもそも大量に飲めないように作られているものがほとんどです。
実際、致死量を誤飲するケースはかなりまれです。
(唯一、たばこの吸い殻が入った水だけは別格で危険です)
それでも、「そこにあったはずのものが見当たらない」となると、「この子が飲んだかも?」と不安になる。
その気持ちは、親として自然だと思います。
飲み込んだものが金属であれば、レントゲンで確認できます。
ただ、元気にしている子供に、むやみに放射線を浴びせたくない、というのが正直なところです。
なので、飲んでも害のないものなら、便に出てくるかを観察してもらって終わることも多い。
ただし例外があって、それはボタン電池。
これは本当に別次元で危険です。
ボタン電池はツルツルしていて飲み込みやすく、昔から誤飲事故が後を絶ちません。
飲み込まれたボタン電池は、消化管の粘膜に張り付き、微弱な電流を流しながら、じわじわと組織を傷つけます。
最悪の場合、消化管に穴があき、命に関わります。
正直に言って、ボタン電池は「家庭内にあるべきものではない」と思っています。
少なくとも、小さな子供がいる家庭では、最大限警戒すべき危険物です。
子供におもちゃを買い与える機会は多いと思いますが、そのおもちゃにボタン電池が使われているかどうか。
そこまで確認して初めて「安全」と判断し購入すべきと言えます。
ボタン電池だけは問答無用で超危険と認識しておきましょう。
