「診療報酬の本体を2%超引き上げへ」。。。今日は少し真面目くさく語ります。

 

これ一見すると、医療機関にとっては久々の明るいニュースに見えるかもしれません。

しかし、この数字をそのまま額面通りに受け取ってよいのかというと、現場感覚としてはかなり疑問が残ります。

 

まず押さえておくべきなのは、今回の話が「診療報酬全体」ではなく、「本体部分」に限った議論だという点です。

 

本体ってのは、人件費などに相当する部分を指しますが、診療報酬改定では毎回、薬価や材料費の引き下げとセットで語られます。

 

つまり、本体が2%台上がったとしても、全体として医療機関の収入が本当に増えるかどうかは、まだ全く分からない段階です。

 

厚労省が3%台を求め、財務省は慎重姿勢と、この構図自体はもはや見慣れた光景でしょう。

 

物価高、人件費高騰、光熱費の上昇。

現場の医療機関、とりわけ僕らみたいな中小規模のクリニックや病院は、ここ数年で確実に体力を削られています。

 

スタッフの賃上げをしなければ人は辞める。

しかし診療報酬は簡単には上がらない。。

この板挟みの中で、経営努力だけではどうにもならないところまで追い込まれている施設も少なくありません。

 

仮に本体が2%上がったとして、それは現場の実感として十分なのかと聞かれたら、そんなわけない。

 

だって最低賃金は毎年のように数%単位で上昇し、看護師や医療事務、コメディカルの確保には以前より明らかにコストがかかっています。そこに物価高が重なれば、2%の引き上げなど一瞬で吹き飛びます。

 

 

さらに問題と思うのは、この「引き上げ」が医療者の待遇改善にどこまで直結するのかという点。

 

診療報酬が上がっても、加算や要件が複雑化し、「取れるところだけが取れる」仕組みになれば、現場の負担は増す一方です。

 

で結果として、書類仕事と管理業務だけが増え、疲弊するのはまた医療者、という事態になりかねません。

 

政治的には「医療を支援している」というメッセージを出したい。

一方で財政規律も守りたい。

その落としどころとしての「2%超」という数字に見えなくもありません。

 

でも、医療は数字合わせの世界ではありません。

人が人を診る仕事であり、疲弊すれば質に直結するってことを強調したい。

 

今回のニュースを「やっと上がるのか」と楽観的に受け止めるよりも、「それで本当に現場は救われるのか」と一度立ち止まって考える必要があります。

 

診療報酬改定は、医療の未来を左右する重要な政策です。

小手先の数字ではなく、持続可能な医療体制を本気で支える改定になっているのか。

 

そこが、今まさに問われているのだと思う、酔っ払い院長の戯言でした。