NHK夜のニュースで取り上げられるほど、最近RSが大流行しています。
RSは1歳未満のお子さんがかかると重症化するケースがありますが、2歳以上のお子さんや大人では単なる風邪程度で済んでしまう感染症ですので、そこまで恐れることはありません。
ウィルスなので当然ながら抗生剤は無効。
他に有効な治療法もなく、基本的には自然治癒するのを待つしかありません。
ワクチンもありません。
(予防薬があるのですが、これはごく限られたお子さんにしか使えません)
テレビでは「手洗い・うがい」などと言ってましたが、まあ他の風邪の予防にはつながるでしょうが、感染力の強いRSに関してはあまり効果的ではないのではないでしょうか。
とはいっても他に予防法が無い以上、やって損はないのでしょうが。
さてこのRS。
本当に話題になるほど大流行しているのでしょうか??
確かに統計的には過去にないくらいの患者増を示しています。
ただ、これだけを見て「過去にないくらいの大流行だ」と言うのはどうかと思います。
統計が示しているのは、「報告された患者」が増えているのであって、「実際の患者」がどうかなのかまでは把握でいていません。
何を言いたいのかというと、今までRSの検査をしなかった(僕のような)医師が、去年から一気に検査をし始めたからではないかと推測されるのです。
RSは鼻水を取って10分くらいで判定が出来る簡易検査キットがあります。
ただ去年までは、この検査に保険適応がなかったのです。
ただでさえ治療法のないRS感染症。分かったところで治療方針に変わりはありません。
「治療に結びつかない検査は不必要」というのが僕の信条ですし、しかもその検査が保険適応でないとなると、なおさらやりません。
同様の理由でRSの検査をしなかった小児科医は全国にたくさんいたはずです。
ところが、去年からRSの検査が1歳未満のお子さんに限って保健適応になったんですね。
これによりRSの検査キットは飛ぶように売れ、どこの医者もみんな検査するようになりました。
患者数は例年通りだけど今まで検査をしなかったから見逃されていたものが、検査をしだしたことによりあぶりだされてきただけではないか?
検査が保険適応になった
↓
検査キットがバンバカ売れた
↓
どこの医者もジャンジャン検査するようになった
↓
相対的に陽性反応がでる患者が増えた
ただこれだけのことではないのでしょうか??
新しい検査キットが発売されると、その病気の報告数が一気に増え「大流行だ」と騒がれる例は過去にも何度かありました。
今本当にRSが大流行しているのか甚だ疑問です。
ちなみに僕は引き続き検査はしません。
理由は、繰り返しますが治療に結びつかない検査は患者の負担になるだけから。
するケースは、重症化していてこれから入院しなければならないお子さんだけに限定しています。
感染力の強いRSの患者は、入院する際に部屋を別々にしなければならなく、入院する際には事前に検査をしておいた方が良いからです。
(よって、やはり医学的な目的で検査をするわけではないんですね)
こういった考え方も出来る訳で、報道されることをすべて鵜呑みにしてはいけませんね。