令和元年5月1日、小さな鹿児島県三島村で製造した焼酎「みしま村」が新発売になりました。

 

島内で、甘いさつまいもで焼酎を製造することは、長年にわたる三島村の悲願でした。

 

三島村は、三つの島からなる小さな村で、一番遠い黒島までは、鹿児島本土から船で約6時間かかる国境離島です。

 

これまでは、芋を鹿児島本土に送り、島外の酒造会社濱田酒造様に委託していました。

 

その焼酎は、とても評判が良く、県内外で応援団ができあがっているほどでした。

 

島外で製造していたのは、3つの島に約400人という小さな三島村では、酒税法の最低製造数量を満たす製造量を確保できず、免許申請すらできなかったからです。

 

どんなに島民の方々が努力しても超えられない、分厚い、酒税法の壁がありました。

 

そこで、公明党離島振興対策本部は、三島村の大山村長からのご要請を受け、税制改正に向けて取り組みました。

 

ちょうど、鹿児島から遠く離れた、私の地元である東京都の中にある青ヶ島でも、似たような税制上の課題を抱えていました。

 

青ヶ島は、人口が約170人、海と山が絶景の美しい島ですが、東京本土からは空路で八丈島を経由してヘリコプターという、三島村同様に国境離島で、生活するには交通が不便な場所です。

 

(2015年 青ヶ島視察)

 

 

 

三島村とは少し違い、青ヶ島では既に免許をとり、「青酎」という有名な焼酎を島内で製造していました。10人の杜氏がそれぞれの個性を出した焼酎を生産・販売し、漁業と共に、島の重要な産業になっています。

 

2015年11月19日に公明党離島振興対策本部は、この青ヶ島を視察した際、青酎を製造する時にできる、「ハナタレ」という度数の高い部分を販売したいとのご要望を伺いました。

 

アルコール度数の高い部分は、通常の焼酎とは別の免許が必要になり、こちらも島内だけでは最低製造数量を満たすことができず、国家戦略特区制度の中で認めてもらいたい、ということでした。

 

青ヶ島と時を同じくして、同年11月21日に、三島村の大山村長が、山本議員を訪ね、(山本ひろし参議院議員のブログに記されています)その際、私の事務所にも、三島村の焼酎プロジェクトの資料をお持ち下さいました。そこには、酒税法改正を残すのみで、他は完璧な計画が描かれていました。

 

11月から12月にかけて与党税制協議が行われる時期に、公明党の税調総会で、青ヶ島や三島村のお声を受けて、「焼酎特区」を要望しました。

 

しかしながら、東京都から内閣府に、国家戦略特区制度で焼酎特区の申請が出ていたものの、制度の趣旨とはあわずに却下されており、このままでは、実現しないことが判明しました。ボタンの掛け違いになっている状態でした。

 

離島のような小さな地域で酒類製造の特別な免許を受けられる可能性があるのは、国家戦略特区ではなく、構造改革特区の枠組みであると、詳しい官僚の方から教わりました。そして、申請元の東京都、鹿児島県の三島村、申請を受ける内閣府、税法を所管する財務省などと、関係各所と問題認識を共有することから始め、1年かけて翌年の税制改正に向けてコツコツ調整をはかっていきました。

 

その上で、予算委員会で麻生財務大臣から答弁を引き出して与党税制協議に臨み、翌年の2016年12月に決定した与党税制改正大綱の中で、焼酎特区を認めることが決定しました。

 

構造改革特区における酒類の製造免許に係る最低製造数量基準の緩和

 

地域の特色を生かした酒類の製造を後押ししていく観点から、構造改革特区の枠組みを利用して「単式蒸留焼酎」の製造過程で副次的に精製される初垂れ(はなたれ(酒税法上の「原料用アルコール」)を特区内で提供する場合や、地域の特産物を原料として「単式蒸留焼酎」を少量生産しようとする場合に、各酒類の製造免許に係る最低製造数量を適用しないこととする。

 

(平成29年度与党税制改正大綱より抜粋)

 

与党税調で決定したことにより、三島村の悲願だった島内焼酎製造の残りの1ピースであった税制改正を突破することができました。酒税法の問題を解決して、それを反映した酒税法と構造改革特区法の改正を行い、青ヶ島の要望も、三島村の要望も、両方実現できることになりました。法改正後、三島村では焼酎蔵の竣工式と仕込みが行われ、第一号となりました。私も駆けつけて、公明党離島振興対策本部を代表しお祝いのご挨拶を申し上げました。島から、果てしなく続く太平洋を見ながら、ここに住む方々のおかげで国境が守られていることを実感して参りました。

 

酒類の製造免許を得るには、需給調整要件という別の規制がありますが、この特区で認める免許は、製造量に上限を設けることで問題が解決されています。鹿児島県では焼酎生産が盛んで供給量が多いので、三島村が免許を得るためには、この問題の解決が必要でした。

 

尚、この議論の途中の過程では、「島焼酎」として特区が島に限定される方向になりかけましたが、東京都の檜原村でも、地域のじゃがいもを使った焼酎を村内で製造したいと要望されていらっしゃいました。それを受けて、公明党税調総会の議論の中で、特区を島だけに限定しないように要請いたしました。その結果、地方創生のため、全国どこでも、条件を満たせば申請できる制度となりました。

 

これが、公明党離島振興対策本部が小さな島々を訪れ、島の方々のお声を伺ったことをきっかけに粘り強く取り組み実現した、酒税法に関する規制緩和の内容です。

 

少し込み入った詳細な話になりましたが最後までご覧下さり、ありがとうございました。

 

これからも、小さな声を聴く力を大事にして、改革に取り組んでまいります。