イルカがクジラの子どもを育てる様子が世界で初めてとらえられる
2019年8月5日(月)17時00分 松岡由希子
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12692_1.php
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<バンドウイルカの母親がカズハゴンドウの子どもを3年にわたって養育する珍しい事例が確認された......>
野生のバンドウイルカの母親が、
分類学上、種も属も異なる
クジラ目カズハゴンドウの子どもの
"里親"となり、およそ3年にわたって
養育する──。
このような非常に珍しい事例が、
世界で初めて、南太平洋東部
ポリネシアで確認された。
生後一ヶ月未満の見慣れない子どもに遭遇
研究チームは、2014年11月、この調査の一環で、バンドウイルカの母子と行動をともにする、生後一ヶ月未満の見慣れない子どもに遭遇。
2015年4月から10月にかけて11回、バンドウイルカの母子とカズハゴンドウが一家で生活する姿がとらえられている。
カズハゴンドウは、バンドウイルカの
母親のそばをついてまわり、ときには、
母親からの注目を惹こうと、バンドウイルカの
子どもを押しのける仕草もみせた。
また、バンドウイルカの母親がカズハゴンドウを
献身的に世話する様子も確認されている。
バンドウイルカの母親とカズハゴンドウは、
バンドウイルカの子どもが姿を消した2016年4月以降も
行動をともにしていた。
その様子は、2017年8月までの間、24回確認されている
カズハゴンドウは、2018年4月頃、
バンドウイルカの母親から"親離れ"し、
独立して生活するようになったという。
属も種も異なる孤児を母親が養育した事例は珍しい
研究論文では、バンドウイルカの母親が
カズハゴンドウを養育した要因として、
母親の性格や育児経験の浅さを挙げているほか、
カズハゴンドウが母親との関係を積極的に構築し、
これを維持したことが、奏功したのではないかと考察している。
野生動物が血のつながりのない子どもを育てることは珍しい。
属も種も異なる孤児を母親が養育した事例を
学術的に示したものとしては、この研究論文のほか、
「霊長目コモンマーモセットの子どもを
野生のオマキザルが養育した」という
2006年の研究論文のみにとどまっている。
Mer d'adoption / Mother Ocean from G.E.M.M. Polynésie on Vimeo.