5回目のワクチン接種を受けた。

接種会場は、諦めにも似た気怠さが漂う。

 

いつまで続くのだろうか。

 

「また新しい変異株が出た、ワクチンはその変異株には効果が薄いらしい」

誰かの吐き捨てるような声が、マスクから漏れて微かに届く。


働らく白衣姿に虚しさが翳る。

 

世界がおかしい。

 

ウクライナでは、突如侵攻してきたロシアとの間で市民を巻き込み、敵の命を奪おうと、互いに新しい武器を使い戦争をしている。

誰が何の為に。

 

人間の罪は深い。

 

今、ここ接種会場では、コロナから命を守ろうと、腕に針を射している。

沈黙のマスクが、順番を待つ。

 

矢張り何かがおかしい。

 

 

それでも人間の生きる権利を鷲掴みにしてゴミ屑の様に捨て去った、戦争の悲惨な記憶を決して忘れる事なく、その犠牲によって今、ここにある平和と、自由を今一度しっかりと握りしめ、確かめ、残された命を感謝しながら生きていこうと思うのです。

 

今夜見る上弦の月は大きく紅い。