▷ 「ガンの80%は予防できる」ー ❹
長らく医学界の定説となっている「遺伝子変異説」では、うまく説明出来ないことが、結構多くあるのですね。
最近、IPS細胞などで話題になった「ガン幹細胞」説なども、一見有効に見えるけれども、やはり、全ての現象を説明出来ないようです。
また、非常にこわいのは、腫瘍の組織を切り取って、病理検査に出すのだそうですが、病理検査医によって、結論が異なることも結構あるそうです。良性の腫瘍を悪性と間違えられたり、また、その反対だったりすれば、患者にとってとんでもないことですね。
その組織が、炎症なのか、ガン化したものなのかは、見ただけではわからないそうです。
また、ガン幹細胞にだけ効く抗がん剤との触れこみで話題になった肺がん用の「イレッサ」など、ニュースでも騒がれましたね。やはり、いろんな試みをしてはいるが、これという物がないわけです。
だから、結局、近藤誠医師のような「ガンもどき」説が出てきて、かなり説得力を持つのですね。
崎谷先生は、では、どうすれば良いと言っているのでしょうか? もう少し、先へと進んでから、このシリーズも終わりにしましょう!
引用開始
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◎「ガン幹細胞」説の限界
ーーガン幹細胞は全身の転移をしない
さらに、ガンが無限増殖することや抗ガン剤、放射線などを徹底的に施しても再発・転移することから、ガンにもガンの親玉にあたる幹細胞があるのではないかと考えられています。これを「ガン幹細胞」といいます。
幹細胞とは、もともと正常組織の中に数%含まれているスペア細胞です。
組織の細胞が何らかの原因で死滅したり、ダメージを負ったりしたときに新しい細胞を供給する細胞です(ちなみにiPS細胞とは、普通の細胞を遺伝子操作して"幹細胞もどき"にしたものです)。
この幹細胞がガン化したものが「ガン幹細胞」で、ガンが生まれる元になっている親玉細胞と考えられています。
この細胞がある限り、永続的にガン細胞を作り続けることになります。わかりやすくたとえると、
・女王バチは「ガン幹細胞」
・働きバチは「普通のガン細胞」
に相当します。
ガン幹細胞もガン組織の中に数%あるとされています。ガン幹細胞(女王バチ)は、増殖が普通のガン細胞(働きバチ)よりもゆるやかなため、
従来の細胞の分裂・増殖をターゲットにした抗ガン剤や放射線が効きにくくなります。
この「ガン幹細胞」をガンの発生の原因とする仮説を「ガン幹細胞」仮説といいます。
この仮説がガン発生の有力な説としてここ20年くらいガン学会でも提唱されてきました。
ガン幹細胞が残っている限り、いくら三大療法で見える範囲のガンを叩いてもすぐに再発・転移してくると考えられています。
近藤誠医師の提唱する"本物のガン"は、このガン幹細胞のことを指しています。
つまり、「本物のガンは発見されたときにはすでに転移している」という定義です。
▶︎ ところが、多くのガン幹細胞では、全身の転移を起こしません。
これは、動物実験では詳しく確かめられています。たとえば、実験的に作られたガン幹細胞の脳腫瘍マウスモデルでは、数年たっても周囲に強く拡大・浸潤したり、全身に遠隔転移したりしません。
また、ガン幹細胞(女王バチ)から普通のガン細胞(働きバチ)が分裂してくるのであれば、ガン組織のガン細胞の遺伝子変異にバリエーションが多いことを説明できません。女王バチと働きバチの遺伝子は同じはずです。
以上から現代医学のガン治療が依拠する2つの仮説、
「ガン遺伝子仮説」
「ガン幹細胞仮説」
のいずれもガンの発生・増殖を明快に説明できる統一理論とはなりえていません。
依然、ガンの原因については明確な説明がなされないまま紛糾しています。原因がわからないのであれば根治治療もできるはずがありません。
●ガンの6つの特徴
ーーガンの研究者が2000年に提唱
2007年に出版された『ガン生理学』(Biology of Cancer)に、
ガンの6つの特質が掲載されています。
❶自己増殖
❷増殖阻止のシグナルに不感症(感受性の低下)
❸アポトーシス(細胞の自殺)機構の回避
❹無限の増殖能
❺血管新生能
❻組織浸潤および転移能
これは腫瘍生理学者のワインバーグとハナハンが2000年にガンの特徴として発表した論文がもとになっています。
それぞれを簡潔に説明していきましょう。
❶自己増殖 : ガン遺伝子の活性化により、ガンは増殖経路を活性化して自律的に増殖していく。
❷増殖阻止のシグナルに不感症(感受性の低下) : ガン細胞は、細胞増殖を抑制するガン抑制遺伝子を不活性化している。
❸アポトーシス(細胞の自殺)機構の回避 : ガン細胞は細胞死を可能にする遺伝子やシグナルを抑制、不活性化している。
❹無限の増殖能 : ガン細胞はいくつもの世代を経たあとでも死滅しないような特別な遺伝子経路を活性化している。
❺血管新生能 : ガン細胞は自らを養うための血液の供給を引き出す能力を獲得できる。
❻組織浸潤および転移能 : ガン細胞は多臓器に移動し、そこで組織に浸潤し、その臓器で増殖する能力を獲得している。
この6つの特徴は、遺伝子変異が積み重なってガンになるという従来の理論がベースとなっています。
遺伝子の変異を繰り返すことで絶えず性質が変化することを「ゲノム不安定性」といいます。
したがって、この6つのガンの特徴はすべて「ゲノム不安定性」によってもたらされるといってよいでしょう。
たしかにガン細胞に見られる突然変異のなかで病的なものは、実際の正常な細胞機能にダメージを与えます。
しかし、前述したように私たちの細胞のほとんどの遺伝子(DNA)に突然変異が起こる割合は極めて低いことがわかっています。
私たちの生涯で起こる突然変異率が低いことは、ガン細胞にみられる数千~数万(数百万あるものもある)の病的な突然変異の膨大な数を説明できません。
ガン抑制遺伝子という"ガンの見張り役"に突然変異が起こることで、ガンは発生する
ことも示唆されてきました。
たとえば今までもっとも研究されてきた
ガン抑制遺伝子の一つにP53(ピーフィフティースリー)があります。
多くのガン細胞でP53遺伝子の変異が報告されています。
P53のような"ガンの見張り役"をするガン抑制遺伝子に変異が起きてガンが発生するのであれば、なぜこのような重要な遺伝子に高率に変異が起きるような不利な特質をわざわざ備える必要があったのでしょうか?
なぜこのような疑問が呈されるかというと、
生存に必須の重要な遺伝子には、ヒト以外の動物も含め、種を超えてほとんど突然変異がみられないことがわかっているからです。
ガン細胞において、P53のような重要なガン抑制遺伝子に変異が頻繁に起こっているのは、何か理由があるはずです。
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