平日に有休をとった。
梅田で用事を済ませたら、ちょうどお昼時。
前々から気になっていた中華料理店も頭をよぎったけど、この日は、こってりした気分じゃない。
―――優しい甘さが欲しいな。
そう思って向かったのが、阪急うめだ本店地下にある「たねや茶屋」。
店内は、照明を落とした落ち着いた空間で、ゆったりとした空気が流れている。
カウンター席に座り、その静けさに身を委ねていた数分後―――。
突然、店内に「ぺったん、ぺったん」という音が響き始めた。
カウンター越しに始まったのは、まさかの餅つき。
しかも、イベント用の軽いやつじゃない。
職人さんの本気の餅つきである。
一気に店内が正月モードになった。
季節外れなのに、
―――日本って、なんかええな。
そんなことを思っていたら、注文していた「よもぎぜんざい(冷)」が到着。
スプーンでひとすくい。
口の中に広がる、優しい甘さ。
程よい柔らかさの小豆に、草感強めのよもぎ餅。
疲れた身体に、じんわり染みる。
静かに味わっていると、一つ席を空けた隣に、
おばさん3人組が座った。
健康診断で確実に何か引っかかりそうな、肉々しさ満点の3人組である。
座るなり、
こちらをチラッと見たあと、そのうちの一人が言った。
「こういうお店も、1人やと嫌よねぇ。やっぱり、お友達と来る方が楽しいわぁ」
「食事って、いつまでも誰かと一緒がいいわよねぇ」
……はいはい。
完全に、あたしに向けた嫌味である。
でもな。
そういうこと言う人に、言っとく。
「いつでもあると思うな、お友達と旦那さん」
この歳になると、人間関係なんて、ほんまに一瞬で変わる。
友達だって、それぞれ自分の生活を優先し始めるし、ちょっとした温度差で、スンっと縁が切れることもある。
旦那さんだって、退職金と長年の不満を抱えて、ある日 、突然、去っていくかもしれへん。
結局、最後に必要なんは、「1人でも機嫌よく過ごせる力」やと思う。
冷やしぜんざいを味わいながら、おばさんたちの中身ゼロの会話をBGM代わりに聞き流し、店を後にした。
結論。
声がデカいおばさん集団の会話、だいたい薄い。
あと、「おひとり様=寂しい人」
みたいな昭和感、
そろそろアップデートされへんやろか。




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