かなりの時間、この写真を撮るために無駄遣いしました・・・
マーケティングやセールスのセミナーってたくさんありますが、一番の学びの場は何でしょう?
それは、自分が何かを売り込まれた時です。
どんな言葉でどんな気持ちになり、結果どういう判断をしたのか、冷静に分析することで、どんな理屈を学ぶよりも深く購買心理を学ぶことができます。
つい買いたくなった時はどんなセールスをされたのか?
イラっとした時はどんな言葉や態度だったのか?
人がモノを買う時は理屈ではなく感情である、というのもセールスの常識ではありますが、自分が体験した時がどんな具体例よりもよく理解できます。
あたりまえですね。自分の感情が動いているのだから。
先日、偶然同じ日に楽天とソフトバンク、それぞれからセールスの電話がかかってきたんですが、もちろん、「チャンス!」ということで話を聞いた訳です。
売り込みの内容は全然違いますが・・・
楽天vsソフトバンク
ですね(笑)。
結果はソフトバンクの圧勝。
ま、セールスマンの腕もあるんですが、ソフトバンクのトークスクリプト(セールストークの台本ですね)が非常によくできていて、感心しました。
さすが孫正義さん。
いや、孫さんが作った訳じゃないんですけども。
ちょっと解説しますね。
売り込みは現在の回線よりも安定して通信速度が出る回線への切り替え、月500円の費用が半年間無料になる、というものです。
こんな手順でした。
1、警戒心を解く
人は売り込まれることをとても嫌う(警戒する)。
というのもセールスの際の大前提ですので、ここをどう突破するか、が最初の壁です。
今回はこんな感じでした。
まず、ソフトバンクの回線を使っている世帯(つまりウチ)へ電話してきて、通信の状況を聞きます。
「通信が途絶えたり、遅くなったりすることはありませんか?」
ここではセールスの電話だとは気付かないので、単なる調査かな?と思い答えるんですが、「悪い」と言えば何か改善してくれるのか?という心理と、実際時々通信が遅くなる事もあるので、
「ああ、時々遅くなったりすることはあります」
と答えました。
でも、どんな回線でも速度は変化するので、相対的に遅くなることがあるのがほとんどだと思うのです。
つまり、あらかじめ回答も決まっている質問。
そこで、「そうですか・・・ご迷惑お掛けして申し訳ありません。もう少し詳しく状況を聞かせてください」と言って親身になって使用状況(遅くなる頻度や使用しているデバイスの詳細など)を聞かれました。
で、「回線は今より早くて安定している状況が望ましいですよね」
というあたりまえの質問で「そうですねー」と同意を取り付けます。
(これが最後のセールスの際に効いてくる伏線です)
こちらは、「お、ということは何か改善のサービスを提供してくれるのかな?」とここで警戒心が解かれ、親身になって聞いてくれたことである種の「好意」を持ちます。
2、解決策(ベネフィット)の提示
警戒心を説いたところで、解決策であり、こちら側のメリットや価値を感じる方法を提示します。
「現在のIPV4は・・・・IPV6の回線に変更することで、通信速度も約1.5倍に・・・・」
詳しい内容は割愛しますが、要は回線を変更すれば速度の問題は解決するよ、ということを教えてくれます。
そして機能や特徴ではなく、それがこちらにとってどんなメリットがあるかを強調して説明し、「その方が良いですよね?」という質問で更に「そうですねー」を引き出す。
機能や特徴よりも価値(ベネフィット)、これも基本です。
それからもう一つ、大きなYESの前に小さなYESを積み重ねることもセールスの常套手段ではあります。
つまりセールスの基本にすごく忠実。
3、オファーの提示
ここでようやく具体的なセールスとしてのオファー(提案)です。
「月額500円かかるところを、今なら、6ヶ月間無料で回線を切り替えることができますが、この機会に如何でしょうか?」
いきなりこのオファーだと成約率は低いと思いますが、この手順だと、流れでついつい申し込むという人、結構多いと思います。
何故なら、最初の質問で回線に不具合があることを自ら認めて、改善したい、ということを言ってしまっているので、一貫性の原理が働きます。
つまり、過去の自分と現在の自分の言動を一致させようとする心理です。
更に追い討ちをかけるように、「6ヶ月無料の特典はこの電話のみでの提供になっています」という、希少性の法則を用いて揺さぶりをかけてきます。
整理すると、
警戒心を解き好意を持たせる
↓
改善策を提示してその方が良いという答えを重ねて引き出す
↓
限定のオファーを出す
↓
一貫性の原理を用いて説得
いや、お見事。
セールスされていることをあまり意識させることなく、絶妙のタイミングで繰り出されるセリフの数々は、相当練り込まれたスクリプトです。
勉強になるなー。
で、結果どうしたかというと、断りました(笑)。
途中からはすごく冷静に分析しながら聞いていたこともありますが、聞かれたから言っただけで、実際にはそれほど不便に感じる程ではなかったので。
でも、これ成約率かなり高いと思いますよ。
途中で断ることを前提に対応していても、ちょっと心を揺さぶられましたから。
一方、楽天の方は、webショップを見て、楽天市場にぜひ出品してもらいたい、という電話でした。
こちらもいろいろ提案してくれたのですが、若手のセールスマンで事前の調査なども不足しており、ホントにwebショップ見てくれたのかな?と感じる程。
容赦無く質問責めするとグダグダになりながら(笑)、またメールで回答させて頂きます、とのことで終了。
もちろん出店料とか、メリットデメリットもよく検討した上でお断りしましたけどね。
ところで、ここまでで書いた「好意」「一貫性の原理」「希少性の法則」などは、社会心理学の権威、ロバート・B・チャルディーニの名著、「影響力の武器」に全て書いてあります。
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影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
1,970円
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この本、めちゃくちゃ勉強になります。
下手なビジネス書100冊読むより、これ一冊を30回読んだ方がよっぽど良い。
合理的に判断しているはずの人が、何故判断を誤るのか。
何故試食販売や無料サンプルが効果を発揮するのか。
新興宗教に何故人が集まるのか。
その他諸々、全部書いてあります。
返報性の原理、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性・・・
かなり分厚い本ですが、全ての人にオススメします。
といことで、日常の出来事は全て学びのチャンス!という話、最後まで読んで頂きありがとうございました!
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