昨日6/16のブログでご紹介しましたが、JAがロシア産の化学肥料が購入できないことを理由に、なんと最大94%も肥料を値上げする と発表しました。↓
(以下、記事引用)
全国農業協同組合連合会(JA全農)は31日、地方組織に6~10月に販売する肥料について、前期(昨年11月~今年5月)に比べ最大94%値上げすると発表した。輸入の尿素を94%、塩化カリウムは80%、複数成分を組み合わせた「高度化成肥料」は55%それぞれ引き上げ、いずれも過去最高となる。原料調達先のロシアによるウクライナ侵攻などが影響した。
原油高騰に伴う肥料原料価格や輸送費の値上がり、円安進行も価格の押し上げ要因となっている。尿素は原料のアンモニアが天然ガス高騰に伴い上昇している。中国の尿素輸出規制も影響した。
(引用終わり)
日本は 米国追従でロシアへ経済制裁したら、肥料まで輸入できなくしてしまったのですけど、その日本の親分のアメリカが ロシア産の肥料を もっと買うように、米国内の農産品メーカーに、ひっそりと促しているらしいのです。
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開いた口が塞がらんとはこの事。
— らん (@ranranran_ran) June 14, 2022
米国政府機関。農家(企業)と海運会社にロシア製肥料の購入積み増しを奨励。
欧州は既にロシア産のエネルギー購入をとっくに(当然ルーブルで)再開しているし。米国は自分勝手な都合でこんなことやってるし。
阿呆なんは日本政府だけちゃうの。 pic.twitter.com/bhrQsaC1hv
(上のtwitter記事の中の赤線の部分の和訳↓)
米国政府は 密かに 農産品会社と運輸会社にもっとロシアの化学肥料を買って持ってくるように推奨しています。(制裁への努力に)詳しい人々によれば、制裁への恐れが 供給への急激な落ち込みを導き、世界の食料コストをうなぎ登りにさせている。
米国については ロシア産の石油についても バイデン大統領が禁輸を発表したのが3月上旬でしたが、その後 米国が43%も輸入量を増やしていたことを私の5/3のブログ記事で触れました。
欧州も 天然ガスのパイプラインはもちろん止めていないですし、ロシアからパイプラインでEUに来ている石油もまだあります。タンカーで運んでくる分は ロシア産原油をインドの精油所で精油して、それを欧州に運ぶ という手段を使っています。
制裁は 米国や欧州のほうにダメージがむしろ大きかったので、これ以上のロシアへの制裁は 事実上無理なのでしょう。
一方、ロシアのルーブルはここ7年で一番高値になっています。「今、ルーブルが世界一強い通貨になっている」とも皮肉交じりに言われています。↓
Ruble returns to multi-year highs
(和訳開始)
ルーブル、数年来の高値に戻る
制裁にもかかわらず、ロシア通貨は対ドル、対ユーロで強さを維持している。
火曜日にモスクワ証券取引所でルーブルが急騰し、対ドル、対ユーロで最高値を更新した。この上昇は、ロシアの中央銀行が主要金利を戦前の水準に戻したことを受けたものだ。
ロシアの通貨は火曜日、一時1ドル=55.63ルーブルをつけ、対米通貨で2018年2月以来の強さを記録した。また、ルーブルは対ユーロで58を下回り、5月に達成した7年ぶりの高値に近づいた。ロシア通貨はセッションの後半に上昇分の一部をあきらめた。
通貨は資本規制とロシアの強力な貿易収支からのサポートを保持したと、エコノミストは述べています。加速する成長はまた、原油価格の上昇と輸出業者に対する6月の課税期間の開始によってもたらされた。
先週、ロシア中央銀行は主要金利を9.5%に引き下げ、国のインフレリスクが引き続き沈静化していることを指摘した。ロシアが米国、EU、その他の国々から雪崩のように制裁を受けた後、規制当局は2月に金利を9.5%から20%へと2倍以上に引き上げた。この金利引き上げは、記録的な低水準に落ち込んだルーブルを下支えすることを目的としていた。ブルームバーグによると、ロシアの通貨はその後、今年世界で最もパフォーマンスの高い通貨となった。
(和訳終了)
ロシアの主要銀行がSWIFTから排除されたり、西側の各国の中央銀行に預けていた資産を凍結されたりした時、ロシアという国が「10日で無くなる」と言った木村太郎氏に 今の状況をどう思うか、是非聞いてみたいものです。
他にも ロシアは韓国より小さい位のGDPしかない、経済大国じゃないから、制裁ですぐ潰れる・・・というようなことを言っていた評論家の皆さんが多数いたように思います。
しかし、私が思うに、戦時に強い国と弱い国 って、そんなふうに”GDP”で計れるようなものではないのでは。
どれだけ、人々が生活していくのに必要な食料や、燃料含めた生活必需品を自国内で賄えるか ということが戦時の中での国の強さであって、その点では ロシアは 天然ガス、石油、石炭、レアメタル、穀物、肥料、木材も 自国内で自給自足できる稀な国で、そういう国は世界でもロシアとアメリカ位なのでは。しかも天然資源に関してはアメリカよりも圧倒的に低コストで入手可能なのです。そんな国が たとえGDPが小さいからと言って、緊急事態に弱いはずがありません。
むしろ、GDPでは世界第3位であっても コメや野菜、一部の果物以外の食料や肥料を輸入に依存し、家畜を育てる際の飼料もほぼ100%近く輸入に依存、エネルギーもレアメタルもほとんど輸入、木材は 国内産が昔は使われていたものの、価格で競争力なく、とっくに林業が衰退・・・という日本のほうが ロシアの比ではなく、緊急時や戦時においては非常に弱い経済なのでは・・・。
今、世界の多くの国がインフレや食料品不足から食料安全保障的な防衛をしようと、自国で取れる食肉や穀物、砂糖等の輸出を制限したり、制限しようとしています。
日本では 農地も農業人口も減り、農作物の収穫は 労働力をほぼ外国人実習生頼みのところも多いです。また、TPP交渉では 日本の工業製品の輸出の為に、農産品が犠牲にされたようなものです。日本はそうやって農業を軽視し、日本のGDPを牽引する役割をしているグローバル企業を優遇してきたわけですが、今のような体制で 本当に大丈夫なのでしょうか?
また、広大な北海道の農地を 中国への農産品輸出のために 大手企業が買い占めたりする動きも出ているようですが、そのような行為は 日本の食料安全保障を危機的な状態に晒す行為です。早くそのような行為をやめさせたり、禁止しないと、将来、農地はあるのに、そこで作られる食料は 日本人の手に届かず、ほとんど海外に行ってしまう という事になって、いざという時に 食料不足が深刻なことになると思います。