『ぼくの伯父さん』 | 岡山県井原市の採用業務経験が豊富な社労士せのじむのなせば成る

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主に従業員100人以下の事業所向けに人事・労務管理のアドバイスをしている社会保険労務士の妹尾(せのお)です。どうぞよろしくお願いいたします。

ジャック・タチの映画に『ぼくの伯父さん』という作品があります。
型にはまらない伯父さんと、少年との交流を描いた映画です。
 

伯父さんは、どこか不器用で、世の中の効率や常識から少し外れたところにいます。
大人たちから見ると、少し煙たい存在かもしれません。
でも少年にとっては、いつも新しい世界を見せてくれる、魅力的な大人です。

先日、私のおじさんが亡くなりました。
 

私にとってのおじさんも、まさに『ぼくの伯父さん』に出てくる伯父さんのような存在でした。
(『ぼくの伯父さん』の伯父さんほど破天荒な存在ではありませんが……)

おじさんは、いつも新しいものを持って来てくれる人でした。
子どもの頃の私にとって、それは単なる「もの」ではなく「世の中にこんなものがあるんだ」と世間の間口を広げてくれる人でした。

ある日、おじさんがいつも自慢をしているように感じ、一度だけ悪態をついたことがあります。
別におじさんに悪意があるわけでなく、なぜかおじさんを困らせるような言葉を発してしまいました。
とくに理由はありません。
それからしばらく、おじさんは私に話しかけなくなりました。

私が大人になってから、おじさんは、当時まだ珍しかった家庭で使えるカラオケ機器を購入して、よく家に誘ってくれました。
(最初は、カセットをガチャガチャと入れるもので、次にレーザーディスクにグレードアップしていきました)
両親といっしょにおじさんの家に行き、カラオケをみんなで楽しませてもらいました。

でも、おじさんはカラオケで歌おうとしません。
そのとき、思ったのです。

 

「おじさんは自慢をしたかったのではなく、みんなに楽しんでもらいたいと思っていたこと」を。
 

子どもは、友人、親や先生だけから影響を受けるわけではありません。
少し距離のある大人、少し変わった大人から思いがけない影響を受けることがあります。

私が今、新しいことに挑戦したいと思うこと。
人と違うやり方であっても、自分なりに考えて動いてみたいと思うこと。
面白そうだと思ったことには、まず近づいてみたいと思うこと。
そうした私の中の一部は、きっとこのおじさんから受け継いだものなのだと思います。

人が人に与える影響は、その場ではなかなか分かりません。
後になって振り返ると、「あの人がいたから、今の自分の感じ方がある」と思うことがあります。

おじさんは、私にとってそういう人でした。

ありがとう、『ぼくの伯父さん』。

 

合掌