着替えを済ませた夫(英国人)が
「僕、臭くないですか」
「・・・今、外出着に
着替えたばかりだろ?」
「このシャツは昨日
ちょっとだけ着たので・・・
大丈夫とは思うんですけど」
とかなんとか言いながら
夫は腕を私に突き出してきたので
「おい。おいおいおい。
何だそれは、私にニオイを
嗅いでくれってお願いか?
親しき仲にも礼儀あり、
それは一線を越えていないか?」
「着る前に僕も自分で
ニオイを確認して、大丈夫と
判断したんですけど・・・
でも万一自分の鼻が
自分のニオイに
慣れているだけだったら
困りますし、一緒に出掛ける
君だって夫が
臭っていたら嫌でしょう」
何だその理論は、と思いつつも
確かに己の配偶者が
外で異臭を放っていたら
それは私の名に瑕が
つきそうな気もしたので
私はまず念入りに夫の
手首まわりのニオイを嗅ぎ、
次いで二の腕、そして
気になる肩周辺、
胸まわり・胴まわりを
警察犬もびっくりの熱心さで
ふごふご鼻を鳴らしながら嗅ぎ
「・・・ありがとうございます、
それだけ嗅いでくれても
君の眉間に皺が
寄らないということは
僕のニオイは大丈夫ですね、
あの、ですからもう・・・」
「何言ってんだ、回れ右、
背中のニオイも
確認しないと駄目だろう」
頭のてっぺんと
肩甲骨周辺のニオイを
散々嗅いだ後に私は
夫のうなじ周辺に
鼻をうずめて深呼吸、
「いいです!もういいです!」
「いいですって何がだ、
ここが中年男の
悪臭の出所だぞ」
「えっ、悪臭、出ていますか」
「それを今
確認しているんだろうが」
「いいです!もういいです!
それだけニオイを吸ってくれて
君が気絶していないのが
僕が無臭である証拠です!」
「君が無臭だなんて
一言も言っていないぞ」
「もういいです!」
我々がこのように
ワチャワチャやっている間、
われらが愛犬アーシー
(黄色大犬)は
非常に疲れた表情をして
我々から目を背けておりました。
これが会社だったら
なんらかのハラスメントとして
人事部に告発されていたと思います。
可哀そうなアーシー
の1クリックを
↓

