私がひとりで犬と一緒に
夫(英国人)には相当
嬉しかったようで
喜びをかみしめた末に
出てきたセリフが
「妻ちゃん・・・
来年、山岳レースに
一緒に参加しませんか?」
お前は何を言っているんだ。
「山岳レースってあれだろ、
一般人なら往復4時間かかる
山というか丘というかを
30分台で走ろうとする
変態どもの祝祭だろう、私が
参加するわけがないだろ」
「でも君は今回案内板で
『往復2時間』とされる山道を
往復1時間半ちょっとで
制覇したじゃないですか!
・・・才能がありますよ!」
「そんなものはない!」
「走ったりは
しなかったんでしょ?」
「下山途中で少し
速足になったくらいかな」
「間違いない。才能があります」
「ない。私は上り坂に使った
時間と労力を
無駄にしたくないから
山頂まで行っただけの
コンコルド理論の亡者だ」
「その気持ちさえあれば
レースを走り切れます!」
「だからそもそも私には
レースに参加する
意志がないんだよ!」
しかし夫は諦めが悪く
この後も散々私の
才能とやらについて
持論を述べたて
「君の一番の武器は
その肉体です」
「そんなこと初めて言われた」
「ほら、君って
筋肉がつきにくいでしょ」
「喧嘩を売っているのか。
つきにくいから今
腰痛改善に苦慮しているんだよ」
「山岳レースの上位入賞者は
そういう体をしているんです、
どれだけ体を鍛えても、
いや鍛えれば鍛えるだけ
必要最小限の筋肉しか
身体に残らないというか、
自然な軽量化が可能な人たち、
その点僕みたいな体質の人間は
ちょっと動くとすぐ
重くて大きな筋肉がつくから
これは山では荷物なんですよ」
「謙遜を装った自慢だろ、それ」
「あと君は背が高くて
脚が長いから、
かなり歩数が稼げます」
「脚が長いと言われると
つい喜んじゃうあたり
私も単純だよな」
「身長と歩幅と
軽重量を活かして岩場を
飛ぶように走る・・・
目に見えるようじゃないですか」
「私には見えん」
「それに山道、とくに登り坂は
臀筋トレーニングに最適ですよ、
腰痛改善のためには臀筋強化と
理学療法士さんにも
言われているでしょ」
「理学療法士さんは同時に
あまり無茶な運動はするなと
言ってくれている、ぬかるんだ
足場の悪い山道を全力疾走は
どう考えても無茶な所業だ」
私は今後も山では
歩く派で通したいと思います。
山岳は走る派のあなたも
そもそも高いところには
登ろうと思いませんなアナタも
お帰りの前に1クリックを
↓

