わがお散歩仲間の

毒舌夫人が時々作るというのが

『こねないパン

(No-Kneading Bread)』。

 

こねるかわりに

発酵時間が長いとかなんとか、

気になる方は

ネット検索してみてください。

 

で、先日そういう

『こねないパン』を

おすそ分けされまして

「あのね、これね、

防腐剤とか入っていないから

可能な限り早く食べて」

 

パンには干しブドウと

ウォールナッツが

練り込んであり

毒舌奥様の

おすすめの食べ方は

「柔らかいチーズを塗る」。

 

パンを貰った私はその後

結構すぐに家を

出なくてはならない用事が

あって、そのためにすでに

食事は済ませていたのですが

・・・でも奥様、このパンは

早く食べたほうがいいって

言っていたしなあ・・・

 

逡巡の結果、私はパンを

二切ればかり切って

バターを塗って

居間のテーブルにおいて

出かける支度(化粧とか)を

しながら食べる、という

非常に行儀の悪い

振る舞いに及びました。

 

信じてください、私は普段

そんなことはしないんです!

 

でもほら・・・

 

いただきものだし・・・

 

別室で眉毛を書いて

居間に戻ってパンをかじって

別室で持ち物を確かめ

居間に戻ってパンをかじって、

ところで我が家には

犬がいるじゃないですか。

 

わが愛犬アーシーは

最近躾のたがが

多少緩んでいるとはいえ

そこは元盲導犬候補生、

人間の食べ物を

盗み食いはしない犬です。

 

・・・室内においては。

 

ほら、屋外だと時々

悪い人が投げ捨てた

お昼ご飯の残りなんかを・・・

 

ともあれ。

 

というわけでアーシーは

基本的に人間の食べ物には

興味を示さない。

 

しかし恐るべきは

毒舌夫人の料理能力、

このパンはなにやら

アーシーにとって

非常に強い魅力的な芳香を

放っていたらしく

台所でパンを切っている時から

多少素振りは

おかしかったのですが、

何回目かに居間に戻ると

テーブルの横でアーシーが

後ろ脚で立ち上がっていて・・・

 

つまりこう、テーブルの上にある

パン皿を覗き込むような姿勢で

前脚でバランスをとりながら・・・

 

私は一瞬我が家に

歌川国芳の猫又が

降臨したのかと・・・

 

 

 

「おいアーシー何をしている」

 

私の声にアーシーは

慌てず騒がずすとん

前脚を床に下ろし

私に背を向けたまま

ぴたっと動きを止めたので

「・・・アーシー、

こっち見なさい」

 

振り返ったアーシーは

舌をベロンと出していて・・・

 

君まさか・・・味見を・・・?

 

「おい、まさか私の

パンを舐めたのか、君は」

 

私が問い詰めると

アーシーは慌てて

シュルっとベロを引っ込め

「え?なんのことですか?」

みたいな顔をして・・・

 

毒舌夫人のこねないパンは

私に行儀の垣根を越えさせ

アーシーに躾のタブーを

打ち破らせた、本当に

恐ろしいパン

なのでございます・・・!

 

 

干しブドウの甘味が

うっすらあるんですけど

パン自体に甘さはそれほどなく、

弱い酸味が感じられて、

で、歯ごたえが

思いのほか柔らかいんです

 

しっとりしている

 

・・・本当は実物の

写真を載せたいところ

だったんですけど・・・

 

食べちゃって・・・

 

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