乗り継ぎ失敗により

シャルル・ド・ゴール空港で

空港ホテルに

泊まることになったが

空港内で見事な迷子になり、

なんとか指定ホテルの

『最寄り駅』までは

たどり着けたものの

肝心のホテルは

薄暗い広大な駐車場の

果てにあるという

絶望的な状況、

しかしそこに

若者が一人やって来て

私の眺めていた

案内掲示板を見るなり

『S』から始まる汚い英単語を

見事な発音で口にして、

あ、君、英語話者ですね!

 

(ここまでのお話は

昨日までの記事をご覧ください)

 

私はそこですかさず

「失礼そこのお若い方」

 

「・・・あっすみません、

汚い言葉を使っちゃいました」

 

「大丈夫、気持ちはわかる、

あなたの行く先はどこですか」

 

「〇〇ホテルです。そこまで

バスが出ているって

聞いたんですけど・・・

ねえ、今僕たちが

乗って来たのはあれは

バスじゃないですよね?」

 

「あれは電車だと思いますね。

ちなみに私は

△△ホテルに行きたいんです」

 

「・・・この案内板だと

同じ方向ですね、あっちのほう」

 

「突然のお願いで恐縮ですが、

同方向のよしみで途中まで

一緒に歩かせていただけますか。

この夜道はちょっと

怖い感じじゃないですか」

 

「・・・わかります、僕も

同行者がいたほうが安心です」

 

それで私は何とか

ホテルまでたどり着けたんですが、

あそこであの若者に

会っていなかったら

私は下手をしたら今もあの

駐車場の片隅に佇んでいますよ!

 

(大袈裟)

 

ちなみにホテルまでの話題は

「『バス』って言われましたよね」

 

「言われました。でも

僕らが乗ったあれは絶対に

『バス』じゃないですよね」

 

 

「まだ『トラム』なら

わかりますけど」

 

「いやでもあれは

『トラム』とも違いますよ」

 

「『バス』はどこにも

存在しませんでしたよね」

 

「ええ、どこにも『バス』の

姿は見えませんでした」

 

「・・・フランス語で『バス』は

電車も意味するんですかね?」

 

「いやそんなの

聞いたことないです」

 

英語は難しい、という話でした。

 

 

で、この親切な若者は

私のホテルの前まで

ついて来てくれまして、

そこで彼と別れて

ホテルのフロントに行くと

すでに行列に

並んでいた人たちが

「『バス』って何のこと

だったんでしょうね?」

 

「バス、もっとよく

探せばあったんですかね?」

 

「いや、私は空港中を

歩き回りましたけど

バスはなかったですよ」

 

・・・幻のバスを

集団追跡した

パリの夜でした

 

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