数年前に興味本位で
丘の上にそびえたつ
ジョージアン様式
石造り二階建ての
豪壮な邸宅でした。
ジョージアン様式であるからには
建築年度は18世紀とか19世紀。
こういうのがお嫌いな方は
その築年数と家屋の佇まいを
眺めただけで
回れ右かとは思うんですが
・・・独特の雰囲気がね、
あるんですよね。
この家、幽霊がいるとしたら
正装の執事か
長靴下をはいた子供か、の
二択ですよね?みたいな。
前所有者はここで
高齢者向けケアホームを
運営していたとの
話だったのですが
・・・なるほど、だからこの
威厳漂う正面玄関を
通り抜けた後に眼前に広がる
映画でしか見たことがないような
吹き抜け大天井のロビーの
息をのむような景観が
安っぽい防火壁で
すべて台無しに
されているんでございますね。
消防法が大事なのは
承知しておりますが
それにしたってもう少し
やりようというのは
あったのではなかろうか、
なまじ天井が高い分
防火壁も特別注文せざるを得ず
そのぶんどこかの予算を
削らなくちゃ
ならなかったのでございましょうか、
見積上一番安かったであろう
デザインと建材を選択した結果が
時を経てなお重厚な輝きを保つ
ロビーの装飾と大階段と
絶望的な対比をなしていてですね。
思わず言葉をなくした我々を
とりなすように不動産屋さんは
「えー、こちらはこのように
防火設備も整っておりまして、
で、こちらがいわゆる
『談話室』となっております」
ああ、あの宣伝用パンフレットの
『内装の例』に出ていた
日差しさんさんと降り注ぐ
広くて清潔なお部屋のことね、と
ドアをくぐりましたらアナタ。
「・・・ケアホームっていつまで
運営されていたんですか?」
「えーと、確か
2年ほど前までかと」
ああ、だから現在この部屋は
ここまで荒れ果てているんですね・・・
家って人が使わなくなると一気に
カビと埃に襲われますものね・・・
またこれも防犯のためか
大窓をすべて内側から
木の板で補強してあるものだから
自然光の入る余地ほぼなしで・・・
薄暗い部屋を見回す
私の隣からわが夫が
「すみません、ケアホームの
運営が2年前まで、で、
たぶん僕たちが受け取った
この家のパンフレットに
載っていた写真、あれはきっと
ホームの運営中か終業直後に
撮られたものですよね?
そうすると『2年前の写真』と
いうことになりますよね?
不動産売買で物件の
2年も前の内装写真を
広告に使用することって
禁止されて
いませんでしたっけ?」
「・・・ああ!じゃあきっと
ホームはもっと最近まで
運営されていたんですよ!」
・・・この不動産屋、結構怪しい。
で、まあ色々とその部屋の設備
(給湯システムなど)を見せてもらって
「えー、で、先ほどの
ホールを挟んで反対側に
これと対になるお部屋がございます。
大きさとしてはこことほぼ同じで
あちらはケアホーム時代
事務室として使われていて、
まあでもこことほぼ同じですね。
ご覧にならなくても
大丈夫かとは思うんですが」
「いえ、でも一応そちらも
見せていただけますか。
給湯設備なんかも同じなのか
気になるところですし」
「ああ、そうですか?
ではどうぞこちらへ」
そして我々が向かった
元事務室の有様は、
次回に続く!
なお英国では不動産物件に
『幽霊ついてます』の
一文が入ると
その物件の価値は
上がるらしいです
英国人も大概ですよね
でもそういうとこ、
私は嫌いじゃない
むしろ、好き
現在売り出し中の
幽霊付き物件が
気になるアナタは
こちらをご参照ください
いわくつき物件が
お好きなあなたも
大嫌いなアナタも
お帰りの前に1クリックを
↓

