先日、わが夫(英国人)が

遠隔地で開かれる

とある会合に出席しようと

カバンに書類を積めて仕事場を出たら

同じ会合に出席予定の知人が

向こうからやって来たので

「あ、君も今から行くの?」

 

「そう、あ、ごめん、3分後のバスに

乗らなくちゃだからちょと急ぐね」

 

「え、それだったら

僕の車に一緒に乗っていく?」

 

そう言った直後に夫はこの知人が

イタリアの有名某社製の超高級車を

最近購入したことを思い出し

「・・・君が嫌じゃなかったら、

なんだけど・・・僕の車は小さい

日本車で犬のニオイもするし・・・」

 

「え!嬉しいよ!ありがとう!

僕は日本車大好きだし!」

 

そんなことを言っておきながら

この知人氏が現在所有している車は

某ハンニバル・レクター博士が好みそうな

流れるように美しいボディラインと

触るのが申し訳ないくらいに輝く塗装と

そして何より比類なき響きのエンジンを持つ

超高性能車、スーパー・エグゼクティブ・カー、

というわけで夫はシートベルトを締めた相手に

「君の車に比べるときっとシートも硬いし

足元のスペースも狭いでしょう、ごめんね」

 

「いやいやいや!僕は本当に

日本の小型車が大好きなんだって!

そりゃ今はあんな

イタリア車に乗っているけど、

あの車を手に入れるまで僕はずっと

ホンダの小型車に乗っていたんだぜ。

いいよねえ、日本車って、本当」

 

「でも高級イタリア車もいいもんでしょ」

 

「うーん・・・いや、僕はさ、この間

ちょっと自分の人生とか振り返ってさ、

そろそろ自分だけのために何か

『いいもの』、ご褒美を買っても

許されるだろうなって気持ちになって、

それであの車に食指を動かしたんだけど」

 

「僕も君は自分にそういうご褒美を

買うだけの資格はあると心から思うよ」

 

「ありがとう、だからこんなの

一生に一度だ、と思い切ってあんな

派手でカッコいい車を買ったんだけどさ」

 

「君のあの車、本当にカッコいいよね!

どうして今日はバス利用なの?」

 

「いや・・・あの車さ、買った直後から

ちょっと怪しくはあったんだけど、

このたび電気系統が完全にイカレてね。

今修理に出しているところなんだよ」

 

「あ、ああ・・・そう・・・」

 

「修理屋もさ、何が悪いか

わからないらしくて・・・

思い返せばホンダの車はね、

僕は10年以上乗ったけどね、

こんなこと、『原因不明の

電気系統の故障』なんて

一度も起きなかったよ!」

 

「まあでもそれは、ほら・・・」

 

「そりゃ時々修理に出すことはあったさ、

定期検査の後なんかに!

でも何かあったら

すぐにサービスマンが

問題の個所の詳細を説明して

迅速かつ明朗会計で

問題を処理してくれたよ!

それが何だよ『原因不明』って!

修理が終わる時期の

見込みも出せないって!」

 

「は、早く車が直るといいですね・・・」

 

「本当だよ。ああ、いいなあ日本車。

この無駄のない設計、安定した走行、

安定とか安全って大事だよね、車には」

 

ハンニバル・レクター博士だけでなく

クラリス・スターリングもジェイムス・ボンドも

ホンダの小型車を運転する日なんて

きっとないものとは思うんですが、

カッコイイ度では大衆向け量産車が

一部富裕層向け超高級車に

敵うわけはないとも思うんですが、

しかしまあホンダの小型車は

一部のユーザーにとって

比類なき安心感がある、という

話でございました。

 

そういう意味でもホンダの

英工場閉鎖のニュースは

こちらの人々の心に

悲しみをもたらしたのだと思われます。

 

 

イタリア車の名誉のため

ここでは社名を伏せさせていただきますが

まあ名前を聞いただけで

「ああ、あのカッコイイ車の・・・」

となるようなメーカーと思っていただければ

 

でも本当、日本車は故障しませんよね

 

私の知人(スコットランド淑女)も

某トヨタの大衆車に

15年近く乗り続けていて

(乗り始めた時点で

『中古車』だったという話)

正直もうデザインも古臭ければ

見た目もかなり

くたびれているその車について

「だってまだまだ走れるんだもん!

どこか故障したら買い換えようって

ずっと思っているんだけど

絶対に故障しないんだもん!」

とよくため息をついておりました

 

車メーカーのブランドイメージとして大事なのは

それでも『かっこよさ』ですよ、と信じるあなたも

『故障しない』信頼感以上に価値あるものは

ないですよ、と思うあなたも

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