そう、それは去年の秋の終わり、
本格的な冬が来る前に、と
落ち葉掃きと枯草の始末に
日々を過ごしていた頃のことでございます。
ある日仕事を終えようとすると
その日ずっと使っていた
小さなスコップがどこにも見当たらず。
最後にスコップを使ったのは
前庭の東側の花壇のここらへん、
というところで捜索活動を行うも
夏から秋にかけ勢力範囲を伸ばした
ツタ系の植物に行く手を阻まれ
探せども探せどもそれらしい手がかりもなく。
「あのスコップは使いやすくて
私のお気に入りだったのに。
いったいどこに隠れてしまったのだ」
「園芸ではよくあることですよ。
そのうち変なところから出てきますよ」
「いや、でも私はあの子が今必要なんだ。
これから球根君たちを
庭に植える予定なんだぞ」
「新しいスコップを園芸店で
買えばいいじゃないですか」
「いや、それで後日
元のスコップが変なところから
見つかったら悔しいのでそれは駄目」
そのようなわけで球根植えには
予備のスコップを使いまして、
そして冬が本格到来。
我が物顔にはびこっていたツタたちも
雪と霜には勝てず勢力を弱めていき
花壇に土の色が見え始めた今日この頃、
スコップ君、満を持しての再登場。
「夫よ、例のスコップ、出てきた」
「よかったですね!
で、どこにあったんですか?」
「散々探し回った東側花壇の中央だよ!
あそこが怪しいと
最初から睨んでいた場所だよ!
行っておくけど私は結構丹念に
捜索活動に従事したぞ?」
「失せ物というのはそういうものですよ。
見つかってよかったですね」
まあそれは本当にそうです。
これから球根たちが花をつけ始めましたら
今年の私は近所の園芸店で
(Bedding Plant)と呼ばれる
身丈の低い花を買い込んで
背の高い球根花たちの足元を
飾る予定で降りますので。
乞う!ご期待!でございます。
私は子供の頃よく物をなくす子で
しかし大人になるにつれてそういう悪癖は
矯正できたものだと信じていたのですが
うーん、正直『庭』というのは
守備範囲として広すぎるわ
こうした事態を避けるため
持ち物はいちいち指さし確認していて、
にもかかわらずのコレですからね
身近なバミューダの三角形、
園芸作業の恐怖でございます
庭好きの貴方も
インドア派の貴方も
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