東京の乾燥した空気と
煙草の副流煙によって
魅惑のハスキーボイスを手にした私。
性別を誤解されたってもはや
どうってことはない程度に
無駄な人生経験も積んでいますので
それはそれでいいのですが、
この喉の痛みだけはどうにかしたい。
加湿器とのど飴に依存する日々です。
そんなカサカサの声でもって
祖父への朗読は続いております。
某自伝的社史は読み終わり、
今は某月刊誌を読んでいます。
あるお寺のご住職が書いている
月報のようなものなのですが、
見た目は薄くても内容ぎっしり、
つまり、読む量どっさり。
1年分のバックナンバー12冊が勢揃い。
1冊読むのに約1時間半かかります。
休みなしに1時間半も大声を出していては
治る喉も治らないというのは自明の理。
「はい、ここで特集記事が終了。
続きはまた後で」
「別に後じゃなくていい、今読もう」
「私もう声がガラガラなんですよ」
「そんなことはない、きれいないい声だ。
さあ次の記事は何だ?」
・・・お祖父様、
貴方は「子供は褒めて伸ばす」の人でしたね。
過去に自分が
いかに祖父に面倒を見てもらったかを
思い返せば
それ以上強く出られない我が駄目半生。
ついうっかり1冊読みきってしまいます。
「で、ではここで
本日の朗読は終了ということで」
「いいよ、次の号に行こう」
肩で息をする私を見かねてか
ヘルパーさんや母が間に入り
「今日はもうお休みにならないと
明日疲れが出ますから」
「続きは明日読んでもらいましょう」
とかなんとか
祖父を説得しようとしてくれます。
それを聞いた祖父、
形勢は不利と見てとったのか、
布団の中に鼻まで隠し
うつむき加減に小さな声で
「今日読んで欲しいなあー」
・・・ど、どうしましょう、
90過ぎの老人が
ものすごく可愛く見えてきたのですけどっ!
と申しますか、
お祖父様、貴方その年で
萌え系にシフトするおつもりですかっ!
・・・ところで本当に喉が痛いです、
どうしたらいいのでしょうか・・・。