「老いと音楽 〜年齢を重ねてなお、音楽と生きる〜」 | いつかはオーボエ!元 吹奏楽部さんの為の白鳥の湖が吹けるオーボエ教室

いつかはオーボエ!元 吹奏楽部さんの為の白鳥の湖が吹けるオーボエ教室

宝塚歌劇、ウィンドカンパニー吹奏楽団、プロのオーケストラで数々の演奏、レコーディングに参加していたオーボエ奏者 東野正子の
オーボエ教室。『いつかはオーボエ!』を叶える事ができる初心者でも通える教室です。
オーボエ歴38年の講師が一からお伝えします。

私は今、59歳。
43年間、オーボエとともに生きてきた。


長い年月の中で、何千回という本番を経験し、たくさんの人と音を交わし、喜びも悔しさも、すべて音楽とともに味わってきた。

 

しかし、年齢を重ねるにつれ、ふとこんな思いがよぎるようになった。


「この先、自分はまだ演奏者でいられるのだろうか」
「もう誰も、私の音を必要としていないのではないか」

 

若いころは夢中で走り続けてきた。音楽は、私にとって“前に進むためのエネルギー”だった。
でも、今の私は、あの頃のようには吹けない。指は昔ほど滑らかには動かず、ブレスにも工夫がいる。


それでも、不思議と音楽は、今の方がずっと深く心に響いてくる。

 

最近よく思うのは、老いとは「衰え」ではなく、「別の音楽が始まる」ことなのではないか、ということ。
若さゆえの勢いや完璧さではなく、長年生きてきたからこそ出せる、**“語りかけるような音”**がある。


そしてそれは、聴く人の心に、静かに、確かに届くのだと思う。