悪ガキ物語~第3章秘密基地~その① | 子ども達と自然に暮らそ!

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自然食、自然療法などを取り入れながら、
子ども達との自然な暮らしを提案しています。

第3章 秘密基地

毎日のように庭にやってくるその子たちのことを、

ボスとスネ夫と呼ぶことにします。

彼らは口は悪いし、

ちょっとしたことでけんかして友達に殴りかかったり、

物は散らかしっぱなしだし、

注意しても、ちっとも言うことをききませんでした。


ボスは5年生で、特にすぐに手が出ます。

スネ夫は4年生で、ボスほどけんかっ早くはないけれど、

口の悪さと言うことをきかないのは一緒でした。


スネ夫が小屋の中に置いてあった

ロケットストーブを見つけて、

「これなんですか~?」

と言うので、

「ロケットストーブって言って、

木が、よく燃えるストーブだよ。つけてみようか?」

と言って、剪定した木切れを差し込み、

火をつけて見せました。

しばらくすると、

木は、ゴ~という音とともに勢いよく燃え始めました。

「ゴーって言う音がロケットの発射の時みたいな音がするから

ロケットストーブっていうんだよ。」

スネ夫は、火に魅了され、晃とともに、

木の枝の先に火をつけて遊びだしました。

火のついた木の枝を振り回して危険なので、

声かけながら、注意しながら、火遊びを許しました。

火は危険なので、バケツに水を入れて用意すると、

火のついた枝をジュ~って、

繰り返し繰り返し火をつけては消し、遊びました。


スネ夫は、その後も、

「火つけて~」と、火遊びにはまってましたが、

「大人がいる時しか火はつけられないし、

私が忙しい日は、火はつけないよ」と伝えて、

時々のお楽しみとしました。


その子達が来るようになってから、

ノコギリとトンカチと釘を買い足し、

端材をもらってきて、子供たちに自由に使わせました。

男の子がまず作るのは剣。

近所の子達も集まって、

みんなで競うように剣を作りました。


女の子も、トンカチや釘を使うのが初めてなんだけど、

「やってみてもいいですか?」と言って、

なにやら作り出します。

ノコギリの使い方がうまくなかった子も、

「足で押さえて、引くときに力をいれてごらん」と、

ちょっとコツを教えてあげると、

どの子もだんだん上手くなっていきました。

ここはなんだか楽しいみたいだぞ!と

アンテナが立った子供達が、

だんだん集まってくるようになりました。


ある日ボスとスネ夫が体格のいい子を連れてきました。

その子は力も強く、

他の子に戦いを挑んでくるような子でした。


そのジャイアンが弟を連れて来るようになったり、

近所の子も次々集まり、

多い時で十人ほどの子供達が来るようになっていました。

ボス、ジャイアン、スネ夫のこの三人組、

ボスは乱暴で、口も汚く、言うことは聞かないし、

気に入らないことがあれば殴る蹴る。

でも、遊びを作り出すことに関しては天才的で、

次々、大人がびっくりするようなことを考えつくような子でした。


スネ夫は、口の汚さと、乱暴なところはボスと同じでした。

いつも誰かとつるんでいて、

自分からは主導権を握ることはしない、2番手タイプでした。


ジャイアンは、初めてうちの庭に来たときに、

「この土地、何円するの?」

「俺、大人になったら、こんな子どもの遊び場作る!」

と言ってくれた子です。

でも、ボスやスネ夫と同様に、

乱暴で、自分の強さを自慢するような子でした。


そのうち、

それまで平和に遊んでいた子達は、

彼らが来ると、距離を置いて、

遠巻きに見ているようになりました。


庭にはサクランボの木が2本あり、

一本は、小さいながらもたくさん実を付ける木で、

もう一本は、大きい実がなるはずなんだけど、

うまく受粉できなくて、ほとんど実をつけない木でした。

植えてから十年ほど経ち、

木もだいぶ大きくなっていたので、

2本の木を眺めながら、

実があまりならない方の木に、

子ども達に秘密基地を作らせようか!と、

主人と話し、

休日に、どの枝を残すか、

どことどこの枝に木を渡せばいいか、

吟味しながら木を剪定していました。

剪定してるところに、ひょっこりボスがやってきて、

「おれも手伝う!」

と言ってきました。

「じゃあ、木に登って、そこの枝を切り落として」

「次はこの枝」

と、指示を出しながら切ってもらいました。

暗くなってきたこともあり、

「あとは、土台になる木を固定するから、

基地を作るのは、この木を固定した後ね」

と話すと、その日は剪定だけしてボスは帰って行きました。

翌日、ボスは来ていなくて、

代わりに、ジャイアンとスネ夫がやってきました。

木の上に土台が出来てるのを見て、

「なにこれ!ここに基地作っていいの?」

と、嬉々として木の上に板を打ち付け始めました。

その日のうちに、

釘はあちこち飛び出してるけど、

子ども二人が乗るには十分な基地が出来ました。

ジャイアンは、

「おれんち、じいちゃんが大工だから、

大工仕事は得意なんだ!」

と言うわりに、あちこち釘は飛び出て曲がっています。



その翌日、

用事があって夕方車を走らせていると、

すごい形相で走っているボスの姿を見かけました。

その顔には、

「ちくしょ~!あいつら、

俺のいない間に勝手に基地を作りやがって!!」

と書いてあるようでした。

きっと、学校で、ジャイアンとスネ夫が、

「おれたち、昨日、秘密基地作ったんだぜ!」

って、ボスに自慢したんだろうな~と、

思うような顔でした。