10年前の熊本地震で私はThe Japan Timesの取材を受け、「ペット同伴避難所」の必要性を世界へ向けて訴えました。
当時、海外の記者からは、「なぜ日本では、家族であるペットと一緒に避難できないのですか。」という素朴な疑問が投げかけられました。あれから10年、また今回の熊本地震でもThe Japan Timesをはじめ海外メディアが九州動物学院のペット同伴避難所を取材しました。
私はその姿を見ながら、10年前と同じ問いを自分自身に投げかけました。日本は、この10年でどれだけ変われただろう。確かに変わりました。環境省のガイドラインも整備され、「同行避難」という言葉も広く知られるようになりました。しかし現場では、ペットと安心して過ごせる避難所は、まだ十分とは言えません。
海外では、ペットは「家族」であることが当たり前です。だから「ペット同伴避難所」はニュースになりません。一方、日本では、それがニュースになります。世界が驚いているのは、熊本地震そのものではありません。「ペットと避難すること」が、まだ特別なことになっている日本の現状なのです。
私は日本を批判したいのではありません。私は日本が大好きです。だからこそ、災害のたびに飼主が「ペットを連れて行っていいのだろうか」と悩む国ではなく、「家族だから、一緒に避難するのは当たり前。」そう胸を張って世界に言える国になってほしいのです。これからも私は、一人の日本人獣医師として、世界に誇れる日本のペット防災を目指し、現場から声を上げ続けます。それが、2度も熊本地震を獣医師の私に与えてくれた使命だと信じています




