【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、前よりも強く接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
そしてその子狐眷属の故郷、
高野山の清高稲荷大明神にお参りに行った際に
「お祭りをしてほしい」と無茶ぶりをされた私だが……
***
そうですよね。
私が最初にここに来た時は、こんな提灯もなかった。
眠っているように静かな森でした。
それがその1ヶ月後に来た時には、社務所が開かれていた。
清高稲荷大明神さまの神社には正式な神職さんは存在しない。
というか、高野山自体に神職さんっていないらしい。
仏教の聖地だから。
だから清高稲荷大明神は、稲荷講の方々の中で代々守られ、
「まわり宮司」という役が回ってきて、その担当の者が中心となって神社のお世話をされる。
今は北岡家がその担当にあたり、
息子である上岡さん、そしてその家族も一緒になって
清高稲荷大明神様の境内を整え、接待などもしていた。
カナさんは上岡さんの奥さん。いつも私のことを迎えてくれる。
この日も清高稲荷大明神の家族に対するご加護の話や、
ご自身にとっての変化の話をしてくれたり、私の話を聞いてくれたり……
これまで清高稲荷大明神さまのご神域の景色として、
カナ「あ、そういえばさっき」
菊「ん?」
カナ「菊田さんが清高さんの前にいてはった時、
菊田さんの周りに白いモヤがかかっていましたよ!
霧も何も出ていなかったのに、そこだけ」
清高稲荷大明神さまの前にいる時といえば、
ホロスコープのアセンダントの話をしていた時で……
自分自身でも清高稲荷大明神さまが、包んでくれているのを感じていた時でした。
菊「それ、めっちゃ嬉しいです……」
カナさん、そしてその子ども達はいつも境内の掃除をしたり、
参拝客のお接待をされたりと、
とても清高稲荷大明神さまに尽くしているご家族で。
本殿前にいらっしゃる眷属さまが、お顔を逆方向に向けているのを
うっかり見はったこともあるくらい♪
……眷属さまもカナさんの前ではリラックス*という♡
そんなカナさんから嬉しい言葉を聞いていると、ご主人の上岡さんが来てくれた。
拝殿の前でワイワイと話に花が咲きまくる♪
すると上岡さんが突然、こんなことを話してくれた。
上岡(以下:上)「あ! 菊田さん!
実は今日、菊田さんのあのデザインで作った
御朱印用のハンコが届くんです!」
菊「!!! 御朱印??」
上「前から御朱印が欲しいって言われていて……
皆さんから頂いた奉納金で作らせてもらったんです♪」
菊「……すごい ……めっちゃ嬉しい!!」
その時、
清高稲荷大明神さまがさっき話していた言葉を思い出した……
今回の変化は、人が私に求めてくれたものがきっかけでね。
そして多くの人の優しい気持ちによって、形になったものなんだ。
人の気持ちに対して、
私の気持ちをしるしとしてを渡せる。
清高稲荷大明神さまは、本当に愛されている神様で。
管理人さんファミリーに大切に守られ、
参拝者もリピーターが多く、遠方からの奉納も後を絶たない。
だからどんどん境内が華やかになっている。
上「菊田さん!
鳥居もね、また新しいのが1基建つんです!」
鳥居。朱の鳥居。
それはお稲荷さまの象徴。
昔は信仰も厚く、たくさんの朱の鳥居がここに重なっていたという。
月日が経ち、朽ちてしまった鳥居もあるけれど
でも今は違う。
また新しい朱の鳥居も立ち出した……!
菊「新しい鳥居……!
清高稲荷大明神さま、喜んではるでしょうね!!」
うん。もう過去の景色でも望むだけの夢でもない。
清高稲荷大明神の森へと続く、鮮やかに重なる朱の鳥居。
……その景色への一歩は始まっている。
菊「確実に始まっていますよ。清高稲荷大明神さま」
拝殿で朱色の旗や提灯を見渡していたように、
嬉しそうな笑顔で重なる朱の鳥居の下を歩く
清高稲荷大明神の姿が目に浮かんだ。
















