【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、前よりも強く接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
そしてその子狐眷属の故郷、
高野山の清高稲荷大明神にお参りに行った際に
「お祭りをしてほしい」と無茶ぶりをされた私だが……
***
子狐「ママーー! こっち来て来て!」
菊「? なにー?♪」
子狐眷属たちが本殿の方から私を呼んだ。
清高稲荷大明神さまの本殿。
社務所が開いている時は、ここにも入れます。
こちら本殿の眷属さま!
実は……
最初見たとき、ちょっと怖かった本殿の眷属さまたち……
子狐1「ププ。怯えるたぬき顔……」
菊「なぬッ
まあ確かにタヌキも逃げそう💧」
子狐2「そんなママに、本殿眷属さまのチャームポイントを教えてあげる♡」
菊「チャームポイント……?💧」
子狐2「玉様のほっぺを見て♪」
菊「玉様? あ、玉をくわえてはる眷属さま?」
ほっぺ? なになに??……
ハートマーク!!!(//∇//)❤️
子狐1「両ほほハートなんだよー♪」
菊「これは確かにほっこりくるね♡
なんかいきなり親近感ー♪」
清高稲荷大明神さまは縁結びに強い神様。
この玉様(というお名前?)は、まさにそんな感じ♡
清高稲荷大明神さまの主力眷属に相応しいイメージ!✨
神様の目線で境内を見てみた。
奉納された大麻の注連縄が、美しい結界を張っていた。
私は境内の方に歩いていった。
そこには小さな朱の鳥居が並んでいるコーナーがある。
菊「ミニ鳥居、数が増えてきて、
千本鳥居のジオラマみたいになってきてる!」
可愛いコーナーだな〜♪ とふと見ると、眷属さまと鏡も飾ってあった。
菊「あれ? この眷属さま……」
清高稲荷大明神(以下:清)「……そうだ。前は本殿に置かれていた者たちだよ」
見上げるとそこに清高稲荷大明神さまが。
そう。ある日、清高稲荷大明神さまの敷地内に、
置かれたままになっていたという眷属さま二体と鏡。
誰かがどうすることもできなくて、そうしたらしい。
最初の頃は本殿両脇にに沿うように、でも後ろの方にそっと置かれていた。
ポツンと置かれたその姿は、やっぱり寂しそうだった。
清「どうにもできなくなった眷属だけが、私のところに来たのだな」
菊「……」
清「理由はあるのだろうが。
しかし、本来はずっと守ってきた場所で大切にされるべき存在……」
菊「……はい」
清「それまで力を発揮した稲荷ほど、何らかの理由で世話をされなくなると……」
菊「……」
清「まあこれは人でも同じだ。傷つくということは起こる。……人と同じなんだ」
清高稲荷大明神は、目を伏せて寂しそうな表情になった。
清「稲荷はいつもそばにいて、祀っている者たちのことを守る。
その者たちの喜ぶ顔が見たくて。
そして力を発揮したことに対しては、褒められたい。
褒められると自分の神格が上がっていくからな。
ただシンプルにそれだけなのだ」
菊「はい」
清「人と同じであろう? 稲荷と人は近い。
だから…… 近すぎるから揉め事も起きてしまう」
菊「…………」
清「だが逆もある」
清高稲荷大明神は、顔を上げてふと笑われた。
清「嬉しい時は一緒に嬉しい。
笑う時は一緒に笑っている。
そして感謝されたらもっと頑張ろうとする。
稲荷との関係を良いものにすると、人生が豊かに輝いていく。
ただ、ちょっと神の割に極端な者も時々いるのだけど」
清「お菊、その辺を知ってる範囲でいいから
伝えていっておくれ」
菊「……はい」
清「稲荷はな……これでもけっこう傷ついておる(苦笑)
稲荷にも色々あるということを、伝えて欲しい。
私からの願いだ」
……高取神社の豊受姫命さまのお姿が浮かんだ。
同じことをおっしゃっている。
お稲荷さまは、困っている……。
菊「私も知らないことだらけなので、
勉強しながら伝えていきます」
清「うん。頼りにしている。ゆっくりでいい」
清高稲荷大明神さま……ゆったりされていて、お優しい。
清「あ。でも」
菊「あ。でも?」
清「ごめん! お祭りは巻きで!」
菊「あ。はい。そうでしたね💧」
清高稲荷大明神の森は包容する。
行き場を失った稲荷の魂も。
それはここが高野山だからかもしれない。
高野山の寺院を守るために空海が勧請した清高稲荷大明神。
きっとずーーっと待っていらしたんだろう。お祭りというもの。
「自由にしてくれたらいい」
それは神仏習合のこの地で、
世界中の人を迎えてきた神だからこその言葉に聞こえた。
自由なカタチでのお祭り。
どんな祭りができるのか、11月8日までもう2ヶ月を切っていた。













