子どもが赤ちゃんだった頃、その背中には精密なスイッチがついていた。
抱っこしてユラユラさせて眠った……もう大丈夫、と思っても床に置くと目覚める。泣く。
くっそー
もう一回。
とまた抱っこしてユラユラ揺らす。
ねんねんねー いい子だねー
テキトーな子守唄を歌いながら…というよりは唱えながら?呟きながら?
ひたすらユラユラ…ユラユラ……
赤ん坊よりかーちゃんが眠くなってくる。
眠った。
やっと眠った。
しかし油断は禁物。
寝てすぐは眠りが浅い。
ちょっとした衝撃で元の木阿弥になることは必定。
ここは忍耐である。
赤ちゃんの寝息にあわせ、ひそやかにそっと座る。
このまま身を横たえてそーっと…そーっと布団に……
ぁああああああああ!
失敗。
またも失敗である。
この繰り返し!
どんだけ敏感な背中スイッチ装備してるんだ…
母親の
早く寝てほしい
横になりたい
もうイヤだ
という余裕のなさや焦りを感じとっているんだと思う。
穏やかなゆったりした気持ちでいたら赤ちゃんも安心するんだと思う。
が、初めての育児でそんなん無理。
だって産んだばっかりで自分もツライ。
ダルいしチクビ痛いし腰も痛いし眠いし眠すぎるしホントに眠いし。
オムツかえてるかオッパイあげてるかユラユラしてるか。
そんな日々で余裕?
むりむりむーりー
そんなわたしの背中スイッチ対処法。
座ったまま寝る。
(赤ちゃんもわたしも)
根本的な解決にはなってないかもしれないけど、どうしようもなくなったら座ったまま寝てた……
背中スイッチが稼働しているのは一時期だけだから。
人生のたった数週間。
赤ちゃんの時期でもほんのちょっとだけの期間。
そんな風に割り切らないと、背中スイッチで起きては泣きだす赤ちゃんを憎んでしまいそうだった。
意地悪されてるわけじゃないのに、寝かせてもらえなくて苦しくて。
チッ!
寝る暇もねえってのかよ!?
って気分。
対策としては正解じゃないのかもしれないけど、わたしはそんな風に乗りきった。
剣や銃を抱えて仮眠する傭兵のイメージで寝てた。
(妄想族だから)
ガッツなんか普段から座って寝てるから。
魔に魅入られないだけマシ。







