治ることのない病。
失われるもの。
一人だけでは一瞬も生きられない著者が、なぜこんなにも強く健やかでしなやかなのか?
奪われても奪われても、失われることなく、より強く萌え出ずる、この力。

本のタイトルにもなった詩。
あらゆるものを手にしていても足ることを知らず幸せを実感できない、ありのままの自分を受け入れられない。うまく生きられない。
つまらないことで悩み、生き辛さを感じる。
曖昧な不安に苦しくなる。
不満や不快で怒ってばかり。
そんな矮小な色々が、五行詩の前に霧散する。
筋ジストロフィーだからこれらの詩がかけたのだろうか?
病とともに生きた年月は著者のひととなりを形作り、分かち難い。
筋ジストロフィーがなければこの素晴らしい詩をうみだす詩人は誕生しなかっただろう。
しかし、病に冒されたすべてのひとがこのような詩人になれるわけではない。
著者の岩崎航は、3歳で進行性の筋ジストロフィーを発症。現在は常に人工呼吸器を使い、胃ろうから経管栄養で食事し、生活のすべてに介助が必要な体でベッド上で過ごしています。しかし、自殺願望に覆われた10代、身体の苦しみに苛まされた20代を越え、30代の今、力強くまたユーモアを交えた詩を生み出し続けています。心の奥に呼びかけるようなたった5行の詩群とエッセイ。すべての生きる人に勇気を与える 新時代詩人のデビュー作です。


