伊丹十三監督の名作であり、ラーメン映画としても世界的に知られた「タンポポ」。

 

 

 ブルーレイや一部配信でも見られるんですが、実は私、観た事がなかったんです。

 

 

 そんな中、伊丹監督の10作品を1週間ずつ上映するイベントが開催されているのを知り、行ってきました。TOHOシネマズ日比谷というシネコンながら、その中でも小さい上映館で1日2回の上映という事もあり、結構な客入り。週末は満席の回もあったとの事。

 

 

 「マカロニ」ならぬ「ラーメン・ウエスタン」を名乗ったこの映画、メインは「ダメなラーメン店を主人公たちが名店に育て上げる」ストーリーで、テレビ番組「愛川欽也の探検レストラン」での、荻窪「佐久信」のストーリーにも影響されていて、「美味しんぼ」の「ラーメン戦争」の元ネタになっていたり、「愛の貧乏脱出大作戦」など、様々なメディアに影響を与えています。

(ついでに言うと、「喉に餅を詰まらせた老人の、喉に掃除機を突っ込む」というシーンも登場していたりします)

 

 そのメインの合間に、食にまつわる様々なサブストーリーが入ってきます。性描写も多いので「PG12」指定。色々なメタファーも感じてしまいましたが、「性」と共に「生」も様々な角度で撮影されています。

 

 40年前の映画なので、澄んだ醤油味のラーメンを理想形としていたり、「ネギそば」が新作として提案されるなどの点に時代を感じましたが、今の時代に共通する部分もあります。

 

 山崎努・宮本信子・渡辺謙がスクリーンを躍動し、大滝秀治や加藤嘉の演技を見る機会に驚きました。40年という時間を感じるのは、出演者だけでなく、彼らによって作られたり、彼らが口にする食事にもある。まだまだ庶民には外食が一般的ではなかった時代。

 

 食べる事、そこへの蘊蓄に溢れた映画は、後に「グルメブーム」や「ラーメンブーム」を呼んだ。食を語る人たちもずいぶん増えた。40年の月日で、まるでタンポポの綿毛のように世界各地に広まっていったのではないだろうか。

 

TOHOシネマズ日比谷とTOHOシネマズ梅田での今回の上映は3/6まで。