音楽という芸術 | ロンドンつれづれ

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ノッテ・ステラータが終わり、現地に見に行くことはできなくとも、羽生さんの変わらぬ気持が伝わる素晴らしい公演だったことは伝わった。

 

 

 

 

 

 

 

前後のインタビューやオープニングの語りなどでも、羽生さんの想いがあふれていた。何事にも全身全霊だが、数か月活動を休んだ後も、その間どれだけの努力やインプットをしていたかが分かる内容だった。

 

「今持てるすべてを置いてきたつもり」という羽生さんの滑りは、圧巻だった。

 

羽生結弦「悲しみや傷との付き合い方を理解しながら前に進んできた」 『notte stellata』で示した震災を伝え続ける決意 | web Sportiva (スポルティーバ)

 

 

中でも、東北ユースオーケストラと共演した演目の意義、そして素晴らしさがきわだったのではないかと思う。

 

羽生さんやオーケストラの楽団員の言葉を、スポーツ報知は以下のように報じた。

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11日で東日本大震災から15年。羽生さんはオープニングで「言葉も、国境も、地区も、地方も超えて、話さなくても、手を取り合わなくても。みんなが復興を頑張ってきたように、今もまだ頑張っているように、つながりを、絆を感じられるよう、僕たち一人一人が皆さんの星となって、希望となって演技を届けていきます」と語りかけた。

 公演後、羽生さんが客席に向かって叫んだ。「東北ユースオーケストラさんの生演奏、いかがでしたでしょうかー?」。会場に大きな拍手が沸いた。ステージ上には笑顔の花が咲いた。

 今年のスペシャルゲストは東北ユースオーケストラ。録音された音源をもらい、自ら振り付け、滑り込んできた。生演奏で合わせたのは開幕前日だった。

 「本当に本当に想像以上に、きっとあれから練習されたんだろうなということを、このリンクに来てからより一層感じました。寒いリンクの中で、指がかじかんだり、緊張感もすごい中で演奏してくださって、これだけ素晴らしい演奏をされているっていうことは本当に本当にすっごい頑張ってきたんだなと思っています。並大抵のことではない」と熱く続けた。「この舞台に向けて、本当に魂込めて作ってきてくださった」。全スケーターを代表し、感謝した。

 坂本龍一さんが東日本大震災の被災地の若者と立ち上げた東北ユースオーケストラとコラボした新演目の一つが「Happy End」だ。会場でのリハーサルから、曲についての理解を深め合ってきた。世界への切望、嫉妬、羨望、美しい音色。傷を、痛みを抱えて生きていく。それも自分だと受け入れ進んでいく。音やパートを心臓、脈、呼吸などに例えながら、坂本龍一さんを重ねながら、羽生さんなりの解釈を言葉を紡ぎ伝える姿があった。

 2期生の千葉愛子さん(22)は「まっすぐな言葉で『この曲はこういう思いが乗せられていると思う』『この楽器の部分はもっとこういうふうな感情だと思う』とおっしゃってくださった」。1期生の鈴木南美さん(21)も「羽生選手の解釈を聞くまでは、漠然と気持ちがあふれる曲だな、みたいにしか思えていなかった。嫉妬や、切実な思いが満ちて満ちてみたいなことを、たくさんお話しいただいた」と受け止めた。

 感情が共鳴するような、演奏とスケート。若い世代へつないでいくことの意義。新しいコラボレーションが、東北で祈りを奏でた。(高木 恵)

 

羽生結弦さんの「真っすぐな言葉」 つなぎ奏でた魂のコラボレーション|Infoseekニュース

 

東北ユースオーケストラは、故坂本龍一さんが震災後に立ち上げた、小学校から大学生までの学生で構成する楽団だ。

 

 

 

 

今年は震災から15年めという節目。その節目に、羽生さんと共演したことは、東北ユースオーケストラにとっても、大きなイベントだったのではないか。

 

震災から10年目の動画もある。

 

 

 

坂本龍一さんが若い人たちに繋いで行こうと思ったものはなにか。

 

当たり前の毎日が送れることのありがたさ、家族と過ごせる時間の幸せなどではないだろうか。

 

そして、人と人とのつながりによる救いは、楽団という集団の中でも感じられるものだろう。

 

協力し、助け合い、お互いの立場を尊重しあうことで成立するのが、オーケストラである。そこから生まれる美しい音楽は、世界中の人の心を一つにする効果もある。

 

美しい羽生さんの演技も加わって、芸術は国境を超える。 その役割は大きい。

 

 

坂本さんが亡くなって、3年が経つ。

 

人間は誰でも老いるし病にもかかる。 齢を重ねたものがこの世を去る前にできることはなにか。

 

それは若い人たちの歩む道をできるだけ整えることではないだろうか。 平和や日々の生活を穏やかに暮らせる世界を次の世代に残していくこと、それを坂本さんは願っていたのではないだろうか。

 

今、世界が自己主張と争いのうずに飲み込まれている時に、坂本龍一さんの信念と音楽の大切さを再認識する思いだ。

 

 

 

戦争は美しいものをすべてを破壊し、不幸しか生まない。

 

どう理屈をつけても正当化できない、醜いものの集大成が戦争なのだ。

 

 

音楽や映画、スポーツなどのソフトパワーの力は、我々が考えているよりずーっと大きい。 坂本龍一さんの名前は世界に響き渡っている。世界中に散らばっている日本の大使館の役割の重要な部分が、「文化交流」、つまり日本のソフトパワーによる外交なのだ。

 

 

芸術は人間の情感を刺激し、私たちに感動を与えてくれる。

 

同じ感動を共有する人々の間に、憎しみは生まれにくい。

 

日本のサブカルチャーが世界中で愛され共有されている力の大きいことは、海外に暮らしてみるとわかる。ドラえもんやポケモンを見ながら育った人々は、世界中のどの国の人でも、日本を憎むことはなかなかできない。

 

坂本さんの音楽や、羽生さんの演技を愛する人たちは、同じきずなで結ばれていると言っても良い。

 

 

言葉も国境も超えて、きずなや繋がりが広がる、それが芸術だ。

 

日本では美術館等に収入のノルマを課すことにしたらしいが、芸術や文化の重要性を認識できずにそれを大切にできない国は残念だと言えよう…。

 

国立美術館・博物館に重いノルマ。未達成なら閉館含めた再編も──国が突きつけた、第6期中期目標の衝撃|美術手帖

 

 人はパンのみにて生きるわけではない...。