吉田秋生のコミック
「海街diary」
↓過去記事ね
この最終巻には
「通り雨のあとに」
という番外編が載っています。
本編の中では、ほんの一時期
主人公の少女といっしょに住んでいた
義理の弟、和樹を軸とした番外編です。
これがね〜
実にせつない短編なんです![]()
短いお話の中、
和樹の心の声として
20歳まで生きてきた状況が語られます。
おふくろは10年前
生まれたばかりの守を
飯田の大叔父夫婦に預けにきた時に
会ったのが最後
その後の消息は知らない
「父親」というのは殴るものだと思っていた
こんな環境の中、
和樹の二人の弟は
ひとりは15で更生施設に入り
もうひとりは両親も顔も知りません。
未責任でダメな母親は
男を取っ替え引っ替え
渡り歩いているのですけど
一時期だけいっしょに住んでいたのが
本編の主人公の父親だったんです。
殴ったり怒鳴ったりしない父親は
浅野さんが初めてだった
と和樹は回想しています。
そのいっとき、
母が浅野さんと住んでいた時だけ<姉>だったヒトに
和樹は淡い恋心を抱き続けていたんです。
でも13回忌に訪れた<姉>は
父親の墓じまいを決めてしまいます。
自分の家の近くに墓をうつしてしまうので
もう、自分のところを訪れることはなくなってしまう。
そんなお話です。
淡々と語られる和樹の言葉は
静かに心にしみてきます。
和樹は自分と、この<姉>のことを
自分が住む里を流れる川に例えています。
詩歌川は河鹿川の支流じゃないんだよ
ふたつの川は源流も違うし
一度も合流することがないんだ
という会話を
<姉>と交わした後、
違う場所で生まれ
ひとつになることはない
ふたつの川が
それでも一瞬
この谷で 寄り添うように
お姉ちゃんと暮らした
あの日々を
決して忘れることはないだろう
と言葉を結んでいます。
和樹は自分の生まれに負けることなく
まっすぐ純粋に生きています。
母親に捨てられたこの里で
自分を育ててくれた
大叔父夫婦を看取りながら
里の温泉宿で働いています。
このけばげな和樹の淡い恋心。
たまりません![]()
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短い短編なのに
ぐぐぅっと
心を鷲掴みにされました。