夫という存在は、

大好きとか、愛してるとかそういう感情よりも

「いる」「いない」といった感覚が

とてもしっくりくる存在だと

この物語を読んでしみじみ感じました。

 

 

大好き、愛してる、という感情よりも

「いる」「いない」という感覚の方が

夫をより身近に感じるというか。

 

 

いつもそばにいる安心感が

「いる」「いない」という言葉に

滲み出ているような感じがするなと

読みながら考えていました。

 

 

前置きはさておき。

この物語は夫がきらいになってしまった妻と

大好きな夫を突然亡くしてしまった妻の

ふたりの日常が描かれています。

 

 

妻はふたりとも38歳、子どもはいません。

 

 

ひとりめの妻・まりは、

夫の仕事の補助役として働き

家事もきちんとこなしていますが

夫のことを心から嫌いになってしまっています。

 

 

改善しようと努力した時期もあったけれど

今はもう諦めの境地にいて、

まりは夫に「料理教室へ行く」と言い

別の男に会いに出かけます。

 

 

ふたりめの妻・実日子(みかこ)は

ふたりで何気なく過ごしていた一年前のある日、

夫が突然亡くなってしまった

ショックからいまだに抜け出せずにいます。

 

 

人気料理研究家の実日子は

まわりのサポートを受けながら

休止していた料理教室を再開しますが

ふとした瞬間に悲しみが襲ってくることがあり、

日常に戻りきれてはいません。

 

 

そんなふたりの妻は

実日子の料理教室で出会います。

 

 

まりは料理教室での

他愛ない会話の中で

「夫婦仲は悪い」と断言し、

実日子は面食らいます。

 

 

近くにいて、会話もしているのに

夫が「いない」ように感じるまりと、

家の中に夫がいた痕跡を見つけて

夫の不在に胸が締め付けられる実日子。

 

 

対照的なふたりはお互いの存在に

引きつけられながらも、それぞれが

「そこにはいない男たちについて」

向き合い、もがく日々を送るのです・・。

 

 

パートナーの存在が

いかに自分の人生に大きな割合を占めているか

改めて考えさせられました・・。

 

 

ふたりは料理教室内や自宅でさまざまな

おいしいごはんを作るのですが、

おいしそうなごはんを前にして

少ししか口をつけない夫にまりは苛立ち、

二人分の料理や夫用の食器を見て

実日子は落ち込み・・

しかしごはんはきちんとおいしくて、

そこがまた複雑で切なくて・・

 

 

日常のところどころで

言葉にならない後悔と未練が

熟成されていく様子が

残されるおいしいごはんと

食べきれないおいしいごはんによって

より際立って感じられて

胸がぎゅっとなりました・・。

 

 

「どちらがかわいそうか」

「自分の方がかわいそうに決まっている」

 

 

ふたりはお互いの状況を知り

強くそう感じます。

 

 

どっちの方がかわいそう、と

簡単に決めつけられませんし

どうにもならない後悔と未練を抱えている点では

どちらもすごくかわいそうでなりませんでした。

 

 

ふたりは後悔と未練、

そして孤独に耐え、もがきながら

少しずつ物語が進んでいきます。

 

 

夫が嫌いなまりと

大好きな夫を喪った実日子は

それぞれ新たな展開を迎えるのですが・・

 

 

夫が「いない」ということが

こんなにも妻の人生を

どん底に突き落とし、揺さぶって

しまうのかということを

強く思わされた結末でした。



いまの自分はふたりのどちらの状況でもないけれど

ありえなくはない未来で、

夫の存在の重さを突きつけられて

頭がクラクラとしました。

 

 

子どももいるし、

自分ひとりだけの人生

というのは相当なことがなければ

もうありえなくて。

 

 

パートナーや

大切な家族が「いる」ことの

ありがたさを噛み締めさせられました。

 

 

夫婦喧嘩をしたときに

この物語を思い出しそうです。



そして夫が「いる」「いない」

という感覚をもっと意識しようと思いました。



夫はしばしば出張で

一週間ほど家をあけるのですが



「いない」と感じるときと

いないけど「いる」と感じるときがあって、

「いる」と感じるときは

ちょくちょく連絡を取り合っているときで・・



パートナーが「いる」、この感じを

もっと大切にして過ごしていきたいと

思いました。



夫について、夫婦について

深く考えさせられた重みのある作品でした。

 

 

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