こんばんは!
前回のブログ、本レビュー部門1位をいただきました〜!!わ〜い!!!




お読みくださりありがとうございます!うれしいです(´;ω;`)!!
引き続きよろしくお願いいたします!




さて、今日は大大大好きな作家・山田詠美さんの新刊『血も涙もある』(新潮社)を読みました!


ひさびさに山田詠美さんの紡ぐ言葉に触れて、痺れました・・。
ウエットな質感が絶妙で。


ウエットな質感てなんやねん、て感じだと思いますが、くどすぎない色っぽさと湿っぽさがあるというか、ストレートに受け取るとしんどい内容をユーモアに包んで軽くさせるのが巧みというか。
山田詠美さんの筆力に痺れさせられました。


ブログタイトルにも書いていますが(そして本書の帯が強烈ですが)本書は不倫小説です。


不倫。
書き方によっては「もう見てられない!」と思ってしまいそうな痛々しくて残酷なことがらを、絶妙に軽やかにして(しかし決して軽んずることなく)「読ませる」のはまさに芸術だなぁ〜と感服しました。


山田詠美『血も涙もある』は、料理研究家・沢口喜久江の助手をしている桃子が喜久江の夫・太郎と不倫関係になり、三者三様の愛憎渦巻く心模様が描かれる物語です。


Lover(恋人):桃子、wife(妻):喜久江、husband(夫):太郎の視点が交互に描かれ、物語が進むごとに彼らの関係が徐々に歪んでいく様子をなぞることができます。


読みながら、「フィクションだから愉しんで読めるなぁ・・」としみじみ思いました。
これがリアルだったらと思うと。とてもじゃないけど受け止めきれません。
妊娠中の既婚者なのでなおさらそう思います。


桃子は本の帯にある「私の趣味は、人の夫を寝盗ることです」と平然と言えてしまうような女性。


桃子がどのような倫理観を持って恋愛をしてきたのかが物語冒頭で語られ、桃子のしたたかさと堂々としたたたずまいにまず圧倒されます。


喜久江から夫への差し入れを頼まれた桃子が太郎のアトリエへひとり行ったことがきっかけで桃子と太郎はただならぬ関係になり、ふたりの独自の世界を築いていくのですが・・夫の太郎もまた食わせ者で。


太郎はイラストレーターとして細々と仕事をしていますが、経済的にも生活の細々としたこともすべて姉さん女房の喜久江が世話をしており、浮世離れした生活をしていました。


喜久江に甘やかされてきたからか、太郎は桃子と出会う前から愛人を作っては別れを繰り返し・・。


しかし太郎は喜久江が自分のことを好きでいるという絶大な自信があり、ふわふわとした生活を飄々とした姿で切り抜けていくのです。


なんて許せん奴!!八つ裂きにしてやりたい!!
とhusbandの章を読みながらわたしのはらわたは煮え繰り返りましたが、そんなふわふわした太郎のことが心から好きな人が(悲しくも)2人もいて、彼の生活と精神をがっちりと支えてしまっているのです。


そしていちばんの被害者と言っていいのが妻の喜久江。
喜久江は太郎の浮ついた行動を知りながら、鷹揚とした態度で切り抜けていました。


もちろん浮気を知る度に心はざわつきますが、喜久江のプライドが彼女に理性を強めさせ、「浮気させ妻」としての地位をどんどん固めていきます。


喜久江はだれからも慕われる人気料理研究家です。
テレビやメディアにしばしば登場し、浮気相手の桃子も喜久江のことを心から尊敬し、慕っています。


まわりからいちばんの尊敬を集めていながら、喜久江の心は孤独と嫉妬が渦巻き、感情が波打つ様子がwifeの章では鮮明に描かれていくのです・・。


「愛憎渦巻く」とはまさにこのこと・・というドロドロの恋愛模様が、山田詠美さんの手によって巧みに編まれていきます。


3人ともにそれぞれのプライド、ルール、信念があり、章ごとに彼らが自分の言い分を主張しながら物語が進んでいくのですが、彼らの主張を読みながら思うのは、彼らがいかに「血も涙もある」人間くさい人たちかということです。


「言いたい放題言いやがって!」としらけた気分にもさせられますが(特にhusbandの章)、その言葉からは人間の本性が生々しく滲み出ていて、そうそう、人間ってずるくて弱い生き物だったのだ、ということを思い出させてくれるのです。


りっぱな人間しか出てこない物語なんて、なにが面白いの?
そう言わんばかりにりっぱじゃない人たちが喜怒哀楽を素直に表すこの物語は、人間の愚かさと魅力をどちらも引き出し、そしてわたしを魅了させます。


自分の身の回りにあったら本当にイヤだけど、小説のなかの世界だから、と思うとなんて面白いことか!!!
と感嘆しながら一気に読み終えてしまいました。


この物語の魅了ポイントはもうひとつあり、それは登場人物が35歳以上で決して「若者」とは言えない人たちが出てくること。


若さという言い訳がきかないので彼らは自分の弱さ愚かさを必死に隠そうとするのですが、作中でチラチラと見えてしまうのですよね。


ふだんカッコつけている大人のカッコ悪いところがチラ見えすると、なんて人間くさく見えて面白いのだろう!!と意地悪にも思ってしまったのでした。笑


久しぶりの山田詠美ワールドに堪能した一冊でした。


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