「自分は差別する人間ではない」

と思いたい。

 

 

けれど、無意識のうちに

差別的な発言や行動をとり、

誰かを傷つけているかもしれない。

 

 

そう自分を省み、

視野を広げるきっかけを与えてくれた

とても示唆的な一冊を読みました。

 

 

32歳女性のわたしは

社会人になってから

差別(というかフェミニズム)について

強く関心を持つようになりました。

 

 

社会人デビューした職場が

男性8〜9割のところで、

そこに正社員採用された自分は

「女性ならでは」の視点で

会社に貢献したい!と息巻いて

思いっきり挫折したからです。

 

 

当時23歳の自分の考えが

浅はかすぎる、世間を知らなさすぎる

というのはもちろん

 

 

数も体力も男性が圧倒的優位のなかで

「女性ならでは」の視点を

その職場に植えるためには

自分ひとりの力ではどうにもなりませんでした。

 

 

当時の自分は

女性視点を発揮するどころか

男性社員と同じように働くので精一杯。

 

 

男性社員と同じようなパフォーマンスを

発揮できず、体力が尽きて

異動願いを出しました・・。

 

 

そんな苦い思い出があり、

自分のなかでそれをどうにか良い方向に

消化したいともがくなかで

「フェミニズム」という言葉に出会い、

この世界の不平等、理不尽さを

知り始めました。

 

 

フェミニズムを勉強し

日々アンテナを張って生きているので

自分はどうしても「被害者側」である

というスタンスに立ちがちです。

 

 

たしかに男性優位社会ではあるけれど、

健康な女性である自分は

時に「加害者側」に立っていることだって

あるのではないか。

 

 

本書を読んで

「悪意なき差別」を

自分は本当にしていないだろうか?と

ドキッとさせられました。

 

 

本書はマイノリティ・人種・差別論を

専門とする大学教授の著者が

日常にありふれている差別や特権にフォーカスし、

これらの差別にどう向き合い

どう改善していけるかを論じた一冊です。

 

 

韓国で16万部超のベストセラーとなり

読書会でもしばしば取り上げられる

話題作なのだそう。

 

 

本書では韓国やアメリカでの

女性、障害者、セクシャルマイノリティ、

移民に関する事件や論争が取り上げられ

 

 

世界にはどれだけの不平等があるのか、

そしてその不平等を改善するべきなのに

変化を恐れるあまりに

「不平等の維持」に加担してしまう矛盾、

差別を「公正」なものだと思わせる

「能力主義」の罠、

 

 

マジョリティ特権を認識できないために

差別的な態度をとってしまう

「悪意なき差別主義者」の

「傾いた世界観」などについて

克明に書き尽くされています。

 

 

差別問題を考えるにあたって、

 

 

・世の中には権力の傾斜があるということ

・特権を持っている人に都合の良い世の中であること

・法律や規範なしに平等が実現するのは難しい

・世界は十分に「正義」に満ちているわけじゃない

 

 

ということをまず認識していないと

不平等に抗う人たちの姿(デモなど)が

社会の秩序を乱す「脅威」に思えたり

「社会はそういうものだ」と諦めたり

構造的な差別問題を「個人の努力不足」のせいにするなど

不平等な思考に決着してしまう

ということがよくわかり、

 

 

上記のような思考に身に覚えのある

わたし自身、「加害者側」に

なりかねない危うさをひしひしと感じ、

これまでの自分を省みさせられました。

 

 

わたしはもちろん、

誰だって誰かを差別しようと思って

生きているわけではないと思いますが

 

 

構造的にひそむ差別を

「慣習」だと思って

差別をユーモアとして受け取ったり

「そういうものか」と思ったり

してしまうことで

差別に加担する可能性は十分にある

ということを肝に銘じて

「差別に加担しない姿勢」を意識することは

とても大事だと感じました。

 

 

また、本書を読んで

「女性とはこういうものだ」

「男性とはこういうものだ」

というステレオタイプは本当に厄介だ

ということも改めて強く感じました。

 

 

アメリカで行われた研究で

同等レベルの数学能力をもつ男女を前に

「女性は数字に弱い」という

否定的な固定観念を伝えたことで

この固定観念を打ち破らなければ

というプレッシャーが女性にかかり、

プレッシャーのせいでパフォーマンスが落ち

テストの成績が下がってしまったという結果が

出たそうです。

 

 

社会人デビューした当時のわたしは

まさしくこの否定的な固定観念の

プレッシャーに押しつぶされてしまった

のでしょうね・・

 

 

世の中には強力な偏見が

まだまだ根を張っていることを意識して

否定的な固定観念を言う人や場所を遠ざけたり、

日常の固定観念に疑問を持つことを

習慣づけたいと思いました。

 

 

自分もやっていたかもしれない

という耳の痛い気持ちで読み進めた一冊でしたが

 

 

自分が傷つかず

自分の大切な人を傷つけない自分であるために

読まなければならない一冊だと思いました。

 

 

最後に本書で一番響いた箇所を引用して終わります。

 

 

「差別をめぐる緊張には、「自分が差別する側でなければいいな」という強い願望、ないしは希望が介在している。ほんとうに決断しなければならないのは、それにもかかわらず、世の中に存在する不平等と差別を直視する勇気を持っているかという問題である。差別に敏感にも鈍感にもなりうる自分の位置を自覚し、慣れ親しんだ発言や行動、制度がときに差別になるかもしれないという認識をもって世の中を眺めることができるだろうか。自分の目には見えなかった差別をだれかに指摘されたとき、防御のために否定するのではなく、謙虚な姿勢で相手の話に耳をかたむけ、自己を省みることができるだろうか。」(201頁)

 

 

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