こんばんは!
9月はじまりましたね~


突然ですが
9月の個人的な目標は
「心地よく過ごす!」です。笑


8月が心地よくなかったわけではないのですが、
神経がピリピリしていたときが多かったので・・
(さすがまじめ・せっかち・神経質なわたし笑)


自分にとって心地よい環境づくりを心掛けたり、
セルフケアをより意識したりしようと思います。
(8月は暑さでセルフケアをさぼり気味でした・・)


そして自分にとって
「心地よい」と思える本をたくさん読みたいと思います。


そんな9月はじまりに読んだのは
思春期から嫁入りまでのひとりの女性の感情が巧みに描かれた文学作品です。




幸田文『きもの』(新潮文庫)



『台所のおと』は妻の心の揺れ動きを「台所の音」で感じとる夫の物語でしたが、『きもの』は手ざわり、肌触りなどの“触感”で心の揺れ動きが表現されていて、筆力に惹き込まれました・・。


幸田文『きもの』は、幼いころから着物にうるさい主人公・るつ子の成長と着物のこだわりから見える人情の機微が描き出された傑作長編です。


幼いころのるつ子は活発で敏感な女の子で、動きやすくて心地よい肌触りの着物しか着たくないと駄々をこねては母とおばあさんを困らせていました。


るつ子は4人きょうだいの末っ子で、与えられる着物はすべて姉のおさがり。
母とおばあさんはるつ子の無礼を叱りつつも、常におさがりを与えられるるつ子を不憫にも思うのでした。


親の苦労を思いながらもるつ子自身が心地よく思えない着物にはどうしても我慢ができず、さまざまな着物や浴衣の素材を吟味するようになります。


やがて成長するにつれて着る人の顔立ちと着物とのバランスを見るようになり、るつ子の着物への思いはどんどん強くなっていくのです。


るつ子の着物への思いが特に際立ったのは、いちばん上の姉が結婚し嫁入り支度をしたとき。


いちばん上の姉はきょうだいの中で一番の器量よしで、それを自分でも自覚していることから特に上等な花嫁衣裳を両親にねだり、るつ子は姉の図々しさを腹立たしく思いながらも花嫁衣裳を着た姉の美しさには目を見張るものがあることを認めずにはおれず、憧れのような悔しさのような、言いようのない感情に包まれます・・。


いつか自分にもこのようなときが来るのだろうか・・と思う間もなく、その後母が病床に伏し、るつ子は看病と母代わりの家事で手いっぱいになります。


そのときにるつ子が特に気を配ったのは、母の着るもの。
母は娘たちに上等な着物を着せてやるべく倹約していたため、自分の着るものはとても粗末なものしか残っておらず、るつ子は胸が痛みます。


おばあさんとともに母のための着物を仕立て、家を回し、心を尽くして看病をしますが、るつ子の思いもむなしく、帰らぬ人となってしまいます。


るつ子は姉の嫁入り、母の看病を経て、着物をめぐる人それぞれの想いに触れ、またその想いは双方が噛み合わないこともあるのだということを痛感させられたのでした・・。


母の死後、るつ子は着物への想いは自分の身の振り方を迫られますが、どうにも決めかね、静かになった家を寂しく思いながら過ごします。


いつまでもこうしていられない、という気持ちはあるものの決断がつかないでいたところに、ある日関東一帯を大地震が襲い、るつ子ら一家はさらなる不幸に見舞われてしまいます・・。


被災し、家のほとんどを失ってしまった一家はさらに質素でわびしい暮らしを強いられますが、そんな日々にるつ子の心を支えたのはまたしても着物なのでした。


ひょんなご縁で新品のお祭り浴衣をもらい、るつ子とおばあさんは重傷の家族のお見舞いにそれを仕立て直します。季節違いのものでもやはり新品の手触りにるつ子の心は自然と上向くのでした。


そうして少しずつ建て直していくなかで、るつ子に縁談が舞い込みます。
ひともんちゃくありながらもるつ子は結婚を決めますが、ここにきてるつ子は「着物」に大いに悩まされ、おばあさんや知人の知恵を借りて、どうにか自分の納得いく着物を着て結ばれることになるのです・・。


物語中盤からるつ子の素直な心に惹かれ、のめり込むように読みました。


物語前半ではわんぱくな頑固娘だったのに、いつのまにか家族思いのけなげな娘に成長していきます。


その成長のようすは「着物を見る目」が変わったことで示唆的に描かれていて、自分の着心地が良いものを!という思いで着物を見ていたのが、いつしか「母にとって着心地が良いものを」と、だれかのためを思って着物を見るようになるのです。
成長のようすを「着物」を通して描くという、描き方の優美さに魅了されました・・。


そして物語後半に畳みかけるように続く数々の不幸。
ひたすら我慢を強いられる日々が続き、しかもどこにもはけ口の無い生活のなかで、るつ子の痛ましい気持ちをあらわしているのはこれまた「着物」です。


おばあさんの知恵を借りながら工夫はしますが、決して贅沢はできず、るつ子は家仕事をするようになってからは割烹着の便利さを痛感します。ですが上質な着物や花嫁衣装の憧れももちろんあり、るつ子は家の経済状況や自分の立場などの現実と憧れとで板挟みになるのです。


この物語を読んで、装いにはその人の内面があらわれる、ということを改めて強く感じました。


装いはただのおしゃれ!というわけではなく、その時の自分の気持ちをあらわすものなんですよね。
リラックスしたいときはリラックスできそうな装いを、ビシッと決めたいときはかっちりした装いをしたくなるものです。


けれど、そのときの立場や状況によってはどうしても装いを調整しなければいけません。
そうした事情に対してどうにか工夫して、少しでも「粋」に見せたい、という思いと折り合いをつけようとするるつ子に心から共感しましたし、最後まで家族思いのるつ子のけなげさが胸に響きました・・。


なかなかのボリュームの長編小説ですが、苦もなく読み進めることができる名作です。
おしゃれが好きな方やきょうだいの多い方は共感するところの多い作品だと思います。


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