問題は、【東大教室】ブログ上公開演習➒-1(問題)で確認してください。

演習➒ 近世(総合)

江戸時代の武士

 

解説


武士は、中世・近世を通じて歴史の主人公でありつづけた。
したがって、「武士とは何か」を問うことは、それぞれの時代のもつ特質を的確につかむことに通じる。

武士について多角的に思考しておくことは、もっとも大切な東大日本史対策の1つになるだろう。

いわゆる元和偃武(1615)以来、戦乱が収束することで武士はそれまでの戦闘者としての性格を後退させ、徐々に官僚的な性格を帯びるようになった。
つまり、合理的に整備され、専門分化した組織によって、法などの規則にもとづいて行政をおこなう集団へと変化していった。

享保の改革がおこなわれた18世紀前半には、その傾向が一段と明確になる。
武士の官僚化は、社会の安定がもたらした経済の発展に対応するかたちで促進された。

今回は、解答を最初に示し、その基本構造を分析したうえで、社会・経済と政治・法制の両面から武士の官僚化について考えてみることにしたい。

四角グリーン解 答

政治面からみた武士は、私的武力行使を是とせず、武人としての実体を失う一方、主従関係を前提に細分化された行政組織を担う官僚として法治を原則に統治にあたり、能力に応じて登用される傾向も強めていった。経済面では、城下集住により在地領主的性格を否定され、都市での消費生活を送り続けなければならない存在だった。

(150字)


四角グリーン与えられた文章と解答との関係
 

文章(1)

「『人ヲ殺シ官其(その)罪ヲ問ハサル者』……これは、江戸時代の武士の実態とは大きく異なる」

 右差し 解 答

私的武力行使を是とせず、武人としての実体を失う

 

文章(3)

「武士は……必要な費用を原則として自前で負担」「家格」

 右差し 解 答

主従関係を前提に

 

文章(4)

「法令類の整備を精力的に進めた」

 右差し 解 答

法治を原則に

 

文章(1)

「『抗顔坐食*(こうがんざしょく)シ……』……これは、江戸時代の武士の実態とは大きく異なる」

抗顔坐食 傍若無人で働かずして食べること。

文章(2)

「公事方」「勝手方」

文章(3)

「役職を務める」

 右差し 解 答

官僚として

 

文章(2)

「勘定所は……二部門にわかれ、さらに職掌に応じて職務の細分化が進行」

 右差し 解 答

細分化された行政組織を担う

 

文章(3)

「足高の制などの施策により……在職中は不足分の禄高が補われ」

 右差し 解 答

能力に応じて登用される傾向も強めていった

 

文章(5)

「旅宿ノ境界(きょうがい)」「米ヲ売テ金ニシテ、商人ヨリ物ヲ買テ日々ヲ送ル」

 右差し 解 答

城下集住により在地領主的性格を否定され、都市での消費生活を送り続けなければならない

 

【東大教室】ブログ上公開演習➒-3(解説)に続く。

 

 

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