クレバース門下から勉強しに来ていた、4年のシュナイダーさんが、オランダのプロサッカー・チームのU15に居たことがばれ、みんな鈴なりにつるんだ。


『試合、呼んで!』『ワザ教えて!』

『このまま体育の先生になって~!』

『チームに帰ったほうがいいよ。選手のほうが儲かるから!』


などなど、ホントみんな様々なことを言っていた。


子供の時、クラブチームに属していたセザールが、勝手にシュナイダーさんに試合申込んじゃった。


私:『じゃあ私、レモンの砂糖漬け凍らせて、持って行くね~』


と、すっかり傍観者気分でいたら、出ることになっていた。


何かこの頃、私って男扱い~orz


私:『ヤダぁ~ガーンシュナイダーさんと戦えない!無理無理無理!』


だが、セザールから背番号とチーム名の入ったビブスを渡された。


『FC-FBAG』
何の略?FCはフットボール・クラブでしょ?


『FBAGって何~?』
『男爵師匠の正式名さ』


セザール:『Fondation Baron Arthur Grumiaux が、師匠の正式名。その頭文字をとったチーム名だよ。』


…門下に来てから11か月…男爵の正式名を知った…


『FC-FBAG』荷が重~い。


しかも、チーム・クレバースは4人。私たちは7人。負けられないじゃん!


試合当日。キーパーは、身長190センチのピョートル。


私はキーパーじゃないのだけど、怪我するといけないから~と、ピョートルがデカいキーパー・グローブ貸してくれた。


審判はロシアから来た3年のナジャ姉。彼女、審判の国際資格持ってるらしい。


西側で活躍したいから~と、取ったらしい。


ナジャ姉の笛の合図で試合が始まった。

ピーっ!!!


チーム・クレバースのシュナイダーさんとフランクちゃんの早技トラップと早技パス&ドリブルで、はや一点を入れられてしまった。


『ドンマイ、ドンマイ、次っ!』
と、声をかけ合って白紙に戻し、次に臨む。
バイオリンでも門下生はこの精神持たなきゃ、ついていけないので『合い言葉に』なってる。


勝っても負けても『次』しかない。

シュナイダーさんとフランクちゃんのパス-パス技はすごい~。


しかし、ゴール近くでセザールがそれをクリアし点を入れられなくてすんだ。
『セザール!ナイス・クリアー!』


よーし!FC-FBAG!男爵師匠組!チャンス!


ステファンがセザールにパスし、セザールがドリブルでゴールまで持って行って一点入れた。


キーパーのハラルド君が思い切り左をカバーしたが、セザールがそれを読み、右側へ瞬間的に変えて入れた。


『ナイス!セザール!』

セザールは計算が早技!


結局、私たちは3対1で負けたのだけど、男子と本気でサッカーして、面白かった。超、疲れたけれど。


このサッカーがだんだん、門下外の日本人や学院外の日本人に広まり、見せ物になって行くのだ…


『よっ!男爵師匠組っ!』と、声かけられる。