今にも降り出しそうな雲行きであるが、午後のお茶の時間は、何といっても腰痛持ちの私にとって、勇気と決断を要する最も貴重な時間である。

家の内では、よちよち歩きしか出来ず、引き攣った筋肉を庇いながら、このままの状態で老ぼれてしまうのかと危惧して過ごすことは、どうしても受け入れられない。

半世紀あまりに鍛え上げたメンタルの強さは、密かに我が誇りとさえ思っていたが、老いて肉体の衰えが少しづつ綻びを見せ始めると、諦めにも似た境地が、じわじわと開き直る私を追い詰める。

乗り降りの瞬間は確かに苦しい。だが乗って漕ぐことは容易い。リスクを承知で私は自転車のペタルを懸命に操る。

茶店のいつもの席に着くと、「今日も来れたじゃないか」と自画自賛。

 一歩踏み出す決断は、大きな「希望」を生み出し、人知れず「大丈夫」を連発する。

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